2002年2月18日放送の「犯罪の忘れ形見」。
前回のアニメ放送は「バレンタインの真実(解決編)」でした。
前回からコナンが気になっている赤井秀一がかる〜く事件に触れてきます。
また、ベルモット編では伏線となるような内容もあるため、組織の話としても大事になってきます。
今記事では「犯罪の忘れ形見」は原作のお話なのか?アニオリなのか?などを簡単なあらすじを含めて解説します。
※ここからは簡単なネタバレを含むため、注意してください。
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アニメ269話・270話「犯罪の忘れ形見」は何巻?原作で何話?
アニメ放送されている「犯罪の忘れ形見」は原作コナンの話となり、対象の単行本は33巻です!
名探偵コナン33巻に掲載されている話↓
File1:佐藤の勝算
File2:佐藤の気持ち
File3:血の(ブラッディ)バレンタイン(1)
File4:血の(ブラッディ)バレンタイン(2)
File5:血の(ブラッディ)バレンタイン(3)
File6:血の(ブラッディ)バレンタイン(3)
File7:妻の忘れ形見
File8:清潔な香り
File9:清潔な香り
File10:「X」のその意味
File11:○×△□!?
アニメ「犯罪の忘れ形見」の簡単なあらすじ

公式HPのあらすじはこちら↓
妻に先立たれた護田は、形見の時計探しを小五郎に依頼するが断られてしまった。ちょうどそこにいた少年探偵団が、彼の依頼を引き受ける事にする。
マンションに着くと、護田に金を貸している出月が訪れた。出月は護田から金とビデオを受け取ると、オーディオルームに入って悠々と鑑賞を始める。ビデオの大音量が家中に響く中、探偵団は時計を見つけるが、なぜかコナンは不審顔… そして突然聞こえてきた破壊音!!
オーディオルームでは、出月が花瓶で撲殺されていた。コナンは護田が犯人だと推理するが、彼はその部屋に入っていないのだった…
https://websunday.net/episode/12001/
アニメ「犯罪の忘れ形見」の登場人物

「犯罪の忘れ形見」の登場人物
・江戸川コナン
・毛利蘭
・毛利小五郎
・阿笠博士
・灰原哀
・小嶋元太
・吉田歩美
・円谷光彦
・目暮警部
・高木渉
・千葉和伸
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アニメ「犯罪の忘れ形見」のhuluやアマプラはある?
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アニメ「犯罪の忘れ形見」のネタバレ&伏線

アニメ「犯罪の忘れ形見」は、第269話・第270話で描かれる前後編。
護田秀男の自宅マンションで起きる単発殺人事件として完結する一方で、毛利小五郎の事件調書盗難と黒いニット帽の男によって、本筋側の不穏さが差し込む回です。
妻の形見探しという切ない依頼から始まるのに、最後には毛利探偵事務所そのものが探られているような怖さへつながります。
事件本体の苦さと、ベルモット編・FBI関連へ向かうような緊張感が同居しているのが、この前後編の大きな見返しポイントです。
コナンが「自分が狙われているかもしれない」と考える
事件調書盗難を聞いたコナンは、狙われているのは小五郎ではなく自分かもしれないと考えます。
ここがこの回のかなり大事なポイント。普通なら「小五郎の事件調書が盗まれた」と受け止めるところですが、コナンは自分の正体やこれまでの推理の危うさまで一気に連想します。
コナン全体で見ると、これはベルモット編へ向けて不安が積み上がっていく流れとしてかなり効いています。
黒ずくめの男たちの可能性も頭をよぎり、コナンは事件解決だけでは済まない危険を感じます。
この時点で黒の組織が直接動いたと確定するわけではありませんが、コナンの警戒心がかなり強く出ているのが印象的です。
事件解決後、コナンが蘭と小五郎の安否を心配して毛利探偵事務所へ急ぐ場面も、この不安の延長です。自分が狙われているなら、周囲も危ないかもしれない。
そう考えるコナンの焦りが、ただの探偵ではなく、正体を隠して大切な人を守ろうとしている人物として胸にきます。見返すと、推理の鋭さよりも、蘭と小五郎を心配するコナンの必死さが強く残ります。
黒いニット帽・赤井秀一の男が毛利探偵事務所を見ている
この回のラストでは、黒いニット帽の男こと赤井秀一が毛利探偵事務所を探るように見ていることが確定します。
護田秀男の事件は解決し、蘭と小五郎も無事だと分かります。普通ならここで安心して終わるはずなのに、最後の視線によって空気が一気に冷えるのが怖いです。
ここで大事なのは、黒いニット帽の男は護田事件の犯人ではないということです。出月映子殺害の真相とは別に、毛利探偵事務所を見ている人物として残ります。
このラストはベルモット編・FBI関連へ向けた不穏な余白としてかなり効きます。
事件が終わっても終わらない。日常の場所である毛利探偵事務所が、急に監視される場所へ変わるんですよね。見返すと、護田の復讐事件の後味に、黒いニット帽の男の視線が重なり、単発回とは思えない緊張が残ります。
灰原がコナンの不安を察する
この回では、灰原がコナンの不安を察していることも大事です。
護田事件の推理だけを見ているわけではなく、高木刑事の話を聞いたあとのコナンの様子から、ただならぬ空気を感じ取ります。灰原は黒の組織への危機感を共有しやすい立場なので、コナンの焦りに気づく描写が自然に効いています。
コナン全体で見ると、灰原は事件解決の補助役というだけではありません。組織の影が近づくとき、コナンの不安を理解できる数少ない人物です。
この回でも、灰原は護田秀男の犯人特定要素ではなく、シリーズ側の緊張を受け止めるキャラとして機能しています。
場面としては、コナンが調書盗難の話を受けて不安になり、毛利探偵事務所の安全まで気にし始める流れが印象的です。その空気を灰原が察することで、コナンが一人で抱えている危険が少しだけ共有されます。
灰原の静かな反応に、組織を知る2人だけの重い距離感が出ていて胸にきますね。
日常事件の裏にベルモット編への不穏さが差し込む
この回は、護田秀男による単発殺人事件として完結しつつ、事件調書盗難と黒いニット帽の男によって、別の本筋の不穏さが差し込む回です。
事件内では、妻の形見、ビデオデッキ、花瓶、出月映子への恨みが中心になります。けれど、それだけで終わらせず、ラストで毛利探偵事務所周辺の危険へ視線を移すのがかなり上手いです。
コナン全体で見ると、この前後編は「事件本体」と「本筋の不安」を分けて味わうと分かりやすいです。護田事件はこの回で解決しますが、調書盗難と黒いニット帽の男の監視は回収されません。
つまり、推理としてはすっきりしているのに、シリーズとしてはまったく安心できない構成になっています。
この不穏さは、コナンが自分の正体や周囲の安全を強く意識する流れにもつながります。日常的な依頼から始まったのに、最後には毛利探偵事務所そのものが危うく見える。この温度差がかなり怖いです。
単発事件の裏で本筋がじわっと動いている感じがあり、ベルモット編へ向かう前のざわつきとして印象に残ります。
アニメ「犯罪の忘れ形見」のあらすじ&事件の流れ

アニメ「犯罪の忘れ形見」は、蘭が阿笠博士と少年探偵団へ手作りチョコを用意する、穏やかな日常からスタート。
前のバレンタイン回の温かさを受けながら、そこから亡き妻の形見探しへ入り、やがて復讐殺人へ落ちていく前後編です。
事件内では、腕時計、ビデオデッキ、花瓶、録音音声、底の抜けた丼ぶり、枯らされた花が少しずつつながります。
さらに終盤には事件調書盗難と黒いニット帽の男が差し込まれ、単発事件の解決後も本筋の不穏さが消えない回になっています。
蘭が阿笠博士と少年探偵団にチョコを用意する
物語は、蘭が阿笠博士と少年探偵団へ手作りチョコを用意する日常パートから始まります。
前のバレンタインの余韻が残る導入で、阿笠博士や元太、歩美、光彦たちのいる空気もかなり穏やかです。事件の前に、コナンの周囲にある平和な日常がしっかり見せられます。
この明るさがあるからこそ、後に毛利探偵事務所の安全を心配するコナンの焦りが効いてきます。
蘭や小五郎、阿笠博士、少年探偵団がいる当たり前の日常が、実はいつ壊れてもおかしくない。そう見返すと、最初のチョコの場面にも少し切なさが混ざります。
護田秀男が妻の形見の腕時計探しを依頼する
護田秀男は、亡き妻の形見である手巻き式腕時計を探してほしいと毛利探偵事務所へ来ます。
小五郎は依頼を断りますが、コナンと少年探偵団が時計探しを引き受ける流れになります。
最初は、妻を失った夫の切ない探し物に見える導入。
ただ、この依頼には最初から違和感があります。
3週間前に失くしたという腕時計を、なぜ今になって探すのか。なぜ子どもたちを自宅へ呼び込む必要があるのか。後から見ると、この形見探しそのものが護田の計画に組み込まれていたと分かり、切ない依頼が一気に怖く見えます。
護田宅で出月映子が金の取り立てに来る
護田の自宅には、出月映子が金の取り立てにやって来ます。
映子は護田に金を貸していた人物で、腕時計探しの静かな空気に金銭トラブルの不穏さが混ざります。ここで護田と映子の関係が、ただの知人ではないと見えてきます。
視聴者が引っかかるのは、映子が護田の妻の死にどう関わっているのかという点。
この時点では全貌は見えませんが、護田の中に映子への強い感情があることは感じられます。形見探しの話に見えていたものが、復讐の火種へ少しずつ変わっていく場面です。
出月映子がオーディオルームでビデオを鑑賞する
出月映子は、護田宅のオーディオルームで古い映画のビデオを鑑賞します。
この部屋には複数のビデオデッキがあり、下段のデッキと棚上のデッキが後のトリックに深く関わります。何気ない部屋の設備紹介が、実は殺害装置の配置説明になっているのが怖いです。
ここで重要なのは、映子が自分でリモコンを操作する状況が作られていること。
普通なら映画を見終えてテープを取り出すだけの行動ですが、この回ではその操作が命取りになります。日常的な家電操作が殺人の引き金になる見せ方がかなり嫌なリアルさです。
洗濯機の中から腕時計が見つかる
コナンたちは、洗濯機の中から護田の亡き妻の腕時計を見つけます。
少年探偵団としては依頼達成のように見えますが、コナンはすぐに違和感を持ちます。3週間前に失くしたはずの手巻き式腕時計が、まだ動いていたからです。
この違和感によって、腕時計探しの依頼そのものが不自然に見えてきます。
本当に3週間前に失くしたのか。護田はなぜ今この時計を探させたのか。形見という切ない小道具が、アリバイ作りのために利用された可能性へ変わっていくのが苦いです。
出月映子がオーディオルームで倒れて発見される
出月映子は、オーディオルームで倒れて発見されます。
さらに花瓶が消え、足音と玄関ドアの音が聞こえたため、外部犯が逃げたように見える状況になります。腕時計探しの依頼が、ここで一気に殺人事件へ変わります。
ただ、外部犯が本当にいたのかは大きな違和感として残ります。
足音とドア音は本物なのか、消えた花瓶はどこへ行ったのか、護田は本当に被害者側の人物なのか。静かなマンション内の事件なのに、見えない犯人が逃げたように演出されることで、空気がかなり不穏になります。
高木刑事から事件調書盗難の話を聞く
捜査の中で、コナンは高木刑事から、小五郎が関わった事件調書が警視庁から消えていた話を聞きます。
この情報は、護田事件の犯人特定とは直接関係しません。けれど、コナンにとっては事件本体よりも大きな不安を呼び込む話になります。
誰が何のために小五郎の事件調書を見たのか。
狙われているのは小五郎なのか、それとも自分なのか。
コナンはこの可能性を考え始め、蘭と小五郎の安全まで気にするようになります。単発殺人事件の中に、本筋の緊張が急に差し込むポイントです。
焦げ臭さ、底抜け丼ぶり、枯れた花が見つかる
元太が電子レンジの焦げ臭さに気づき、そこからトリックの後始末が見えてきます。
食器棚には底の抜けた丼ぶりが隠され、花は電子レンジで枯らされていたことが分かります。何気ない焦げ臭さが、消えた花瓶の謎へつながるのが気持ちいいです。
玄関にあった花瓶のように見えたものは、実は底の抜けた丼ぶりでした。
花を電子レンジで枯らしたのも、花瓶に入っていた花を処分するためです。外部犯の逃走に見えていた状況が、室内で作られた偽装へひっくり返っていく流れがかなり上手いです。
阿笠博士の声でビデオデッキトリックが暴かれる
コナンは阿笠博士の声で推理を披露し、複数のビデオデッキと同じリモコンを使った遠隔殺害トリックを暴きます。
護田は、下段のビデオデッキと棚上のビデオデッキが同じリモコンで作動するようにしていました。棚上のデッキにはテープを入れ、取り出し口の前に花瓶を置いていたのです。
映子が映画を見終えてリモコンでテープを取り出すと、棚上のデッキのテープも出て、花瓶を押し落とします。
その花瓶が映子の頭に落下し、映子は撲殺されます。さらに棚上のテープには足音や玄関ドアの音が録音され、テープの爪を折って自動再生させることで、外部犯が逃げたように見せていました。
地味なのにかなり計算されたトリックです。
護田が妻の死と出月への恨みを語る
護田秀男は、出月映子が妻に株取引を勧め、多額の借金を負わせたことを語ります。
妻は腕時計を残して自ら車に飛び込み、亡くなりました。護田にとって出月は、妻を死へ追い込んだ相手として強い恨みの対象だったわけです。
ここで苦いのは、妻の忘れ形見である腕時計が、復讐計画の入口に使われていること。
本来なら妻との記憶をつなぐ小道具なのに、護田はそれをコナンたちを呼び込む口実にしました。悲しみが復讐へ変わり、形見まで計画に組み込まれてしまう後味がかなり重いです。
コナンが毛利探偵事務所へ急ぐ
事件解決後、コナンは事件調書盗難の不安から、蘭と小五郎の安否を心配して毛利探偵事務所へ急ぎます。
護田事件は解決したはずなのに、コナンの表情には安心がありません。自分の周囲に危険が迫っているかもしれないと考えるからです。
ここで見えるのは、コナンが事件を解くだけの存在ではなく、蘭と小五郎を守ろうとしていること。
黒ずくめの男たちの可能性が頭をよぎるからこそ、毛利探偵事務所が急に危険な場所に見えてきます。単発事件の余韻から、本筋の焦りへ空気が切り替わる場面です。
黒いニット帽の男が毛利探偵事務所を見ている
蘭と小五郎は無事でしたが、ラストでは黒いニット帽の男が毛利探偵事務所を探るように見ています。
ここで事件の解決感は一気に不穏な余韻へ変わります。護田秀男の事件とは別に、何者かが事務所を見ているという事実だけが残るのが怖いです。
この男の目的や全貌は、この回だけでは明かされません。
だからこそ、ラストの視線がかなり効きます。事件は終わったのに、毛利探偵事務所はまだ見られている。見返すと、この締め方がベルモット編・FBI関連へ向かう不安をかなり強く残しています。
事件の流れを短く整理
流れを短く並べると、妻の形見探しから出月映子殺害、ビデオデッキトリック、本筋の不穏なラストまでが一気に見えてきます。
特に、単発事件の中に事件調書盗難と黒いニット帽の男が差し込まれる構成がこの前後編の軸です。
- 蘭が阿笠博士と少年探偵団へ手作りチョコを用意する。
- 護田秀男が、亡き妻の形見の手巻き式腕時計を探してほしいと依頼する。
- 小五郎は依頼を断り、コナンと少年探偵団が時計探しを引き受ける。
- 護田宅で出月映子が金の取り立てに来る。
- 出月映子がオーディオルームで古い映画のビデオを鑑賞する。
- 洗濯機の中から腕時計が見つかる。
- 3週間前に失くしたはずの手巻き式腕時計が動いていることに、コナンが違和感を持つ。
- 出月映子がオーディオルームで倒れて発見される。
- 足音と玄関ドアの音が聞こえ、外部犯が逃げたように見える。
- 高木刑事から、小五郎が関わった事件調書が盗まれていた話を聞く。
- 元太が電子レンジの焦げ臭さに気づく。
- 食器棚から底の抜けた丼ぶりが見つかる。
- 花が電子レンジで枯らされていたと分かる。
- コナンが阿笠博士の声で、ビデオデッキ遠隔殺害トリックを暴く。
- 護田秀男が、妻を出月映子に追い詰められた恨みを語る。
- 事件後、コナンが蘭と小五郎の安否を心配して毛利探偵事務所へ急ぐ。
- 蘭と小五郎は無事だったが、黒いニット帽の男が事務所を探るように見ている。
アニメ「犯罪の忘れ形見」の犯人&トリック

犯人は護田秀男です。被害者は出月映子です。
護田は、同じリモコンで作動する複数のビデオデッキを利用し、映子自身の操作で花瓶を落下させる遠隔殺害トリックを仕掛けていました。
この事件のポイントは、妻の形見探しの依頼そのものがアリバイ作りの口実だったこと。
さらに、足音と玄関ドアの音を録音して外部犯が逃げたように見せたことで、事件は一度かなり違う方向へ見せかけられます。
犯人:護田秀男
真犯人は護田秀男です。
護田は、出月映子を自宅マンションのオーディオルームで殺害しました。自分が直接その場で手を下したように見えないよう、ビデオデッキとリモコンを使って、映子自身の操作が殺害の引き金になる仕掛けを作っていました。
被害者は出月映子。
出月は護田に金を貸していた人物であり、護田の妻にも株取引を勧め、多額の借金を負わせた人物でもあります。護田の依頼は妻の形見を探す切ない話に見えますが、実際にはコナンたちを自宅へ呼び込むための計画の一部でした。
動機:妻を出月映子に追い詰められた恨み
動機の背景には、護田の妻の死があります。
出月映子は護田の妻に株取引を勧め、多額の借金を負わせました。護田の妻は腕時計を残して自ら車に飛び込み、亡くなっています。護田にとって、その腕時計は妻の忘れ形見であり、同時に出月への恨みを思い出させるものだったはずです。
引き金になったのは、護田が出月を妻を死へ追いやった人物として見ていたこと。
出月は金の取り立てにも来ており、護田の中の恨みは消えていませんでした。妻の死を受け止められないまま、復讐へ感情が向かっていったと見るのが自然です。
決定打は、その恨みを殺害計画へ変え、妻の腕時計探しを口実として使ったこと。
ここがかなり苦いです。形見は本来、亡き妻を思うためのものなのに、護田はそれを復讐の準備に組み込んでしまいました。悲しみが優しさではなく殺意に変わった後味が強く残ります。
トリック:ビデオデッキとリモコンを使った遠隔殺害
この事件のトリックは、同じリモコンで作動する複数のビデオデッキを使い、棚上の花瓶を落として出月映子を殺害するものです。
さらに録音音声を使って、外部犯が逃げたように見せています。
準備
護田は、よく使う下段のビデオデッキと棚上のビデオデッキが、同じリモコンで作動するようにしていました。
棚上のデッキにはテープを入れ、取り出し口の前に花と水の入った花瓶を置きます。これにより、テープが出たときに花瓶が押し出され、落下する状態が作られていました。
さらに護田は、棚上のテープに足音や玄関ドアの音を録音しておき、テープの爪を折って自動再生するようにしていました。
玄関に置かれた花瓶のように見えたものは底の抜けた丼ぶりで、後でキッチンに隠す準備もしていました。花は電子レンジで枯らして捨てることで、花瓶に入っていた花の痕跡を消そうとしていました。
実行
出月映子は、オーディオルームで映画のビデオを鑑賞します。
映画を見終えた映子がリモコンでテープを取り出すと、下段のデッキだけでなく棚上のデッキも同時に作動します。棚上のテープが出ることで花瓶が押され、映子の頭上へ落下します。
花瓶は映子の頭に落ち、映子は撲殺されます。
護田がその場で花瓶を落としたわけではなく、映子自身のリモコン操作を利用して殺害が成立する構造です。日常的な「ビデオを取り出す」動作が殺害の引き金になるのが、この事件のかなり怖いところです。
発覚回避
護田は、録音された足音と玄関ドアの音によって、外部犯が逃げたように見せました。
映子が倒れたあと、誰かが部屋から出て玄関を開けたように聞こえるため、自然に外から来た犯人像が浮かびます。音だけで事件の見え方を作っているのが巧いです。
さらに、玄関にあった花瓶のように見えたものを底の抜けた丼ぶりにし、花は電子レンジで枯らして処分しました。
これにより、本物の花瓶がどこへ消えたのかを分かりにくくしています。外部犯の逃走音、玄関の見せかけ、花の処分が重なって、室内で完結した殺害を外部犯行に見せようとしたわけです。
綻び
綻びのひとつは、3週間前に失くしたはずの手巻き式腕時計が動いていたこと。
これは、時計探しの依頼そのものが不自然だったことを示します。時計は本当に長く失われていたのではなく、護田がコナンたちを呼び込むために使った口実だったと見えてきます。
さらに、護田がリモコンの取り出しボタンを押されると、棚上から花瓶が落ちると思い込んで頭を守ろうとしたことも決定的です。
普通なら何が起きるか分からないはずなのに、護田だけが仕掛けを知っている反応をしてしまいます。そこに、棚上のビデオデッキ、底抜け丼ぶり、枯らされた花、録音された音が重なり、トリックは崩れていきます。
決め手:動いていた腕時計と護田のリモコンへの反応
決め手のひとつは、3週間前に失くしたはずの手巻き式腕時計が動いていたこと。
手巻き式である以上、長い間放置されていれば動き続けていることには違和感があります。これにより、時計探しの依頼が本当の探し物ではなく、護田の計画の入口だったと見えてきます。
もうひとつの決め手は、護田がリモコンの取り出しボタンに反応して、花瓶が落ちると思い込み、頭を守ろうとしたこと。
この行動は、護田が棚上のビデオデッキと花瓶落下の仕掛けを知っていたことを示します。本人の反射的な動きが、トリックの知識を暴いてしまったわけです。
底抜け丼ぶりは、玄関にあった花瓶の見せかけを崩します。
電子レンジで枯らされた花は、花瓶に入っていた花の処分を示します。録音された足音とドア音は、外部犯が逃げたように見せた偽装です。
これらがそろうことで、映子を殺したのは外部犯ではなく、護田が準備した遠隔トリックだったと一本線でつながります。
結末:護田の犯行が暴かれ、本筋の不穏さが残る
コナンは阿笠博士の声で推理し、護田秀男のビデオデッキ遠隔殺害トリックを暴きます。
護田は、妻を出月映子に追い詰められた恨みから殺害したと語ります。事件としては、妻の忘れ形見を利用した復讐殺人として決着します。
ただし、回の後味は護田事件だけでは終わりません。
事件解決後、コナンは調書盗難の不安から毛利探偵事務所へ急ぎます。蘭と小五郎は無事でしたが、黒いニット帽の男が事務所を探るように見ているラストが残ります。
単発事件の推理は解けても、コナン周辺の不穏さはむしろ強まって終わるのが印象的です。
第269・270話「犯罪の忘れ形見」の感想&まとめ

第269・270話「犯罪の忘れ形見」は、妻の形見探しから復讐殺人へ落ちる前後編。
事件の苦さと、黒いニット帽の男が残す不穏さが同時に刺さります。
①妻の形見探しから殺人へ落ちる温度差が苦い
この回は、亡き妻の腕時計探しという切ない導入があるからこそ、後の真相がかなり苦いです。
形見は本来、残された人の心を支える小道具のはずなのに、護田はそれを復讐計画の入口に使ってしまいます。優しい思い出に見えるものが、殺意を隠す道具へ変わる落差が怖いです。
しかも時計が動いている違和感まで知ったうえで見返すと、最初の依頼の印象がかなり変わります。形見という言葉の温かさと、事件の冷たさがぶつかる後味が強い回です。
②ビデオデッキと花瓶のトリックが地味に巧い
ビデオデッキとリモコンを使った遠隔トリックは、派手ではないのにかなり巧いです。
映画を見終えてテープを取り出すだけの行動が、棚上の花瓶落下につながる構成が嫌なリアルさを持っています。底抜け丼ぶり、枯らされた花、録音された足音とドア音まで、小道具の回収も気持ちいいです。
特に電子レンジの焦げ臭さに元太が気づく流れは、探偵団回らしい可愛さもあります。日常家電が殺人装置になる見せ方が、見返すほどじわっと怖いです。
③事件解決後の黒いニット帽の男が不穏すぎる
護田事件は解決するのに、ラストで黒いニット帽の男が毛利探偵事務所を見ているため、まったく安心できません。
高木刑事から聞いた事件調書盗難も重なり、コナンが蘭と小五郎を心配して急ぐ流れにかなり緊張があります。単発事件の終わりに、本筋の影がすっと差し込む構成が上手いです。
この回だけでは目的が明かされないからこそ、視線だけでゾクッとします。見返すと、推理回というよりベルモット編前のざわつきが強く残ります。
次回のアニメはこちら↓
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