「黒田兵衛と若狭留美はどんな関係?」
「二人は敵なの?それとも味方?」
黒田兵衛と若狭留美は、かつてRUM候補として並べられた二人です。どちらも右目に障害があり、「燃えるテントの怪」では互いを探るような険しい会話をしていました。
しかし、二人の本当の接点は現在ではなく、17年前の羽田浩司殺人事件までさかのぼります。
では、どのような関係でしょうか?
この記事では、黒田兵衛と若狭留美の関係、17年前の真相、現在も互いを警戒する理由、RUMとのつながりをネタバレ込みで整理します。
黒田兵衛と若狭留美の関係を結論から整理

黒田兵衛と若狭留美は、17年前の羽田浩司殺人事件を生き延びた者同士です。
若狭の正体は、アマンダ・ヒューズのボディーガードだったレイチェル・浅香。黒田は当時、チェス大会が開かれていたホテルを訪れ、事件現場へ入りました。
二人に血縁、師弟、恋愛などの関係はありません。
17年前に偶然同じ事件へ巻き込まれ、誤解から交戦した後、黒田が浅香を逃がそうとした関係です。
現在は同じRUMと黒の組織へつながる位置にいます。
ただし、黒田は警察・公安側として捜査し、若狭はアマンダと羽田浩司を奪ったRUMへの復讐を狙っています。
敵ではないのに、味方とも言い切れない。目的の一部は重なるのに、手段と秘密が違う。この距離感が二人の関係を不穏にしています。
17年前に黒田が浅香を黒の組織から逃がした
黒田兵衛は、17年前の事件で浅香を黒の組織から逃がそうとしました。
ただし、最初から協力関係だったわけではありません。
浅香は、アマンダと羽田浩司が殺害された後、現場にいた黒田を犯人だと誤解しました。そして黒田へ襲いかかります。
黒田は浅香を制圧して気絶させましたが、そのまま拘束したり、見捨てたりはしませんでした。ホテル内に浅香を狙う者がいると察し、安全な場所へ運び出そうとしています。
この時点で黒田は、浅香を殺害犯ではなく、事件の事情を知る生存者として扱ったのでしょう。
浅香から見れば、黒田は最初に襲った相手です。しかし、物語全体で見ると、黒田は彼女を組織から守る側へ回っています。
敵だと思って殴りかかった相手が、実は自分を逃がそうとしていた。この関係のひっくり返りが上手いです。
現在は敵ではないが正式な味方でもない
現在の黒田と若狭は、明確な敵同士ではありません。
黒田は17年前に浅香を助けようとしており、現在も若狭を排除するために動いているわけではないです。
一方で、二人が事件の情報や目的を共有し、共同作戦を行った描写もありません。
黒田は若狭の正体を確かめるように接近しますが、若狭は浅香としての過去を認めません。互いに同じ17年前を覚えていながら、会話では何も明かさない状態です。
さらに、黒田は公安警察に関わる立場で、若狭は復讐を優先する人物です。
黒田が捜査や組織壊滅を目指すのに対し、若狭はRUM本人へ直接報復しようとする可能性があります。同じ相手を追っていても、最後に選ぶ方法は違うかもしれません。
同じ方向を見ているのに、隣には立たない。ここが二人らしいです。
二人ともRUMではない
黒田兵衛と若狭留美は、かつて脇田兼則と並ぶRUM候補として描かれました。
しかし、現在は二人ともRUMではないと判明しています。
- 黒田兵衛:警視庁捜査一課の管理官で、公安警察・降谷零の上司
- 若狭留美:レイチェル・浅香として17年前の事件を生き延びた人物
- 脇田兼則:黒の組織No.2のRUM
登場当初は、誰が組織側なのか分からない並べ方でした。
ところが正体が分かると、黒田は捜査側、若狭は復讐側、脇田は本物のRUMへ再配置されます。
三人とも怪しく見えたのに、立場はまったく違うんですよね。候補だった人物たちが、現在では同じ盤面の別陣営として向き合う構成が気持ちいいです。

片目の共通点がRUM候補のミスリードになった
黒田と若狭がRUM候補に見えた大きな理由の一つが、片目の障害です。
黒田は右目が義眼で、若狭は右目が見えません。そして、本物のRUMも片目が義眼です。
同じ特徴を持つ三人が候補として並んだことで、誰がRUMなのか分からない状態が作られました。
ただし、黒田と若狭の右目を同じ原因で負傷したと断定することはできません。
黒田は17年前の逃走中に大事故へ遭い、その後、長期間意識不明になっています。義眼や白髪になった背景も、その事故とつながります。
一方、若狭の右目については別の描写があり、黒田と同じ事故で失明したと決まったわけではありません。
見た目だけをそろえて正体を迷わせ、真相が出た後はそれぞれの過去へ意味が分かれる。ミスリードの置き方が巧いです。

黒田兵衛と若狭留美の関係がわかる相関図

黒田兵衛と若狭留美は実は17年前の事件で接点があります。
若狭留美は17年前はアマンダのボディガードの浅香として登場。
黒田兵衛と若狭留美はともにRUMに狙われたり、一戦交えたりしたような関係性となります。
羽田浩司殺人事件については以下記事で解説しています。

17年前の羽田浩司殺人事件で黒田兵衛と若狭留美に何があった?

黒田兵衛と若狭留美の本当の接点は、17年前の羽田浩司殺人事件です。
アマンダ・ヒューズ、羽田浩司、浅香、RUM、黒田兵衛が、チェス大会の行われていたホテルで交差しました。
現在の「燃えるテントの怪」だけを見ると、黒田と若狭は初めて会ったように見えます。しかし104巻で、二人の関係が17年前まで一気にさかのぼります。
チェス大会で黒田と浅香はすれ違っていた
17年前、黒田は友人とともにチェス大会が開かれるホテルを訪れていました。
同じホテルには、資産家のアマンダ・ヒューズ、棋士の羽田浩司、アマンダのボディーガードである浅香が滞在しています。
さらに、黒の組織のRUMもアマンダへ接触するため、ホテルへ入り込んでいました。
黒田と浅香は、当時から親しい知り合いだったわけではありません。名前や目的を共有した関係でもなく、同じホテルの中ですれ違った人物です。
それでも、現在のチェス大会で黒田は若狭に見覚えを感じます。
17年前も現在も舞台がチェス会場なのが上手いです。盤面の上ではなく、会場そのものが過去と現在をつなぐ小道具になっています。
浅香は黒田を殺害犯と誤解して襲った
アマンダと羽田浩司が殺害された後、浅香は黒田を犯人だと誤解して襲いました。
黒田はホテル内の異変に気づき、アマンダの部屋や羽田の部屋へ向かいます。
その頃、浅香は意識を失っていました。目を覚ました彼女が見たのは、アマンダと羽田を失った現場、そして事件を調べていた黒田です。
状況だけを見れば、黒田を殺害犯だと判断しても不思議ではありません。
浅香はアマンダを守るボディーガードでした。大切な人物を殺され、冷静に事情を確認できる状態ではなかったはずです。
その結果、二人は事情を話し合う前に交戦します。
本来なら同じ黒の組織を警戒する側なのに、最初は互いを敵だと思ってぶつかる。このすれ違いがかなり苦いです。
黒田は浅香を気絶させてホテルから逃がした
黒田は襲いかかってきた浅香を制圧し、気絶させました。
ただし、浅香を犯人として組織へ引き渡したわけではありません。
ホテル内では、RUM側の人間が浅香の行方を追っていました。事件の生存者である浅香をその場へ残せば、命を狙われる可能性が高いです。
黒田は浅香から事情を聞く必要があると判断し、安全にホテルの外へ運び出そうとしました。
結果として、黒田は浅香を黒の組織から逃がす側へ回ります。
若狭本人が現在の黒田を「命の恩人」と呼んだわけではありません。それでも、黒田がいなければ浅香が組織に捕まっていた可能性はあります。
浅香を気絶させた行動だけなら敵に見えるのに、その後の選択まで知ると意味が反転します。ここは104巻で最大級に見え方が変わる場面です。

逃走中の事故で黒田は重傷を負った
黒田は気絶した浅香を連れてホテルを出た後、黒の組織側から追跡を受けます。
車で逃走する中、大きな事故が起きました。
黒田は重傷を負い、約10年もの間、意識不明になります。その後、目を覚ました時には、黒髪だった髪が白くなり、右目も義眼になっていました。
一方、浅香は逃げ延びます。そして現在、若狭留美として帝丹小学校へ入り込み、RUMを追い続けています。
黒田は長い昏睡によって17年前から時間を奪われ、浅香は復讐のために17年間を生きました。
同じ事件から逃れたのに、一方は眠り続け、一方は仇を追い続ける。二人の空白期間の違いが胸にきます。
現在の黒田と若狭がすぐに過去を語り合わないのも、この時間のずれを考えると自然です。同じ事件を生き延びても、背負った17年はまったく同じではありません。
黒田兵衛と若狭留美が現在で再会するまでの流れ

現在の黒田が若狭へ関心を持つきっかけは、92巻「白い手の女」です。
その後、93巻「燃えるテントの怪」で二人はキャンプ場に集まり、17年ぶりに直接対面します。
明るい少年探偵団のキャンプ回なのに、黒田と若狭が顔を合わせた瞬間、17年前の事件を思わせる冷たい空気へ変わるのが印象的です。
92巻|新聞記事を見た黒田が若狭へ反応
「白い手の女」の事件後、若狭留美の活躍が新聞へ掲載されます。
その記事を読んだ黒田は、若狭の名前へ反応しました。
黒田兵衛「若狭…留美か…」
この短い一言によって、黒田が若狭を普通の小学校教師として見ていないことが分かります。
ただし、この時点で黒田が若狭=浅香と完全に確信したとは断定できません。
17年前に会った浅香と現在の若狭では、年齢も名前も立場も違います。新聞の顔や名前に、過去の記憶が引っかかった段階だった可能性があります。
たった一度名前を口にするだけで、単発事件が17年前の縦軸へ接続します。静かな引きなのに、不穏さがかなり強いです。

93巻|燃えるテントの怪で17年ぶりに対面
「燃えるテントの怪」では、少年探偵団と若狭がキャンプへ出かけます。
そして、隣のテントに黒田がいました。
黒田は現在の若狭へ直接声をかけます。
黒田兵衛「よろしいか?若狭留美先生…」
黒田は若狭の名前と、帝丹小学校の教師であることを把握したうえで接触しています。
104巻まで読むと、この場面は二人の本当の初対面ではありません。17年前のホテル事件以来となる再会です。
ただし、どちらも過去を知っているとは口にしません。
表面上は警察の管理官と小学校教師の穏やかな会話です。それなのに、若狭の表情や黒田の観察するような視線によって、空気だけが過去を覚えています。
初見ではRUM候補同士の探り合いに見え、104巻後には事件の生存者同士の再会へ意味が変わる。見返した時の面白さが大きいです。

黒田は意図的に若狭を観察しに来た
黒田が若狭と同じキャンプ場へ来たのは、単なる偶然ではありません。
黒田は白鳥刑事から少年探偵団たちのキャンプについて聞き、新聞で気になった若狭を確認するために現地へ来ています。
そのため、隣のテントで寝ていたことも、若狭へ接触したことも、観察の意図があったと考えるのが自然です。
ただし、黒田の具体的な目的は明言されていません。
若狭が17年前の浅香なのか、どの程度の戦闘能力を持つのか、黒の組織とどのような関係があるのか。複数の点を確かめようとしていた可能性があります。
黒田は警察の立場を使って正面から問い詰めるのではなく、日常の中へ入り込んで反応を見る人物です。
公安側の人物らしく、答えを直接聞くより、相手の視線や言葉から確かめようとする。この慎重さが怖いです。
若狭は黒田へ強い警戒と皮肉を向けた
若狭も、黒田が自分を観察しに来た可能性へ気づいていました。
テント火災を巡る会話で、若狭は黒田へ遠慮のない皮肉を向けます。
若狭留美「まさか気になる人物を観察する為に…業火に包まれる隣のテントを野放しにしたなんて事ありませんよね?」
黒田兵衛「ええ、不覚にも寝入ってしまって…小学校の先生がついているのなら大事は起きないと高を括っていた面もありますが…」
若狭は黒田の観察目的へ踏み込み、黒田もまた、若狭がただの教師ではないと知っているような返答をしています。
この会話だけで、二人が互いの能力を意識していることが分かります。
ただし、若狭が黒田を今も恨んでいるとまでは言えません。
浅香としての正体を隠したい警戒、17年前の混乱した記憶、黒田の義眼からRUMを連想した可能性など、複数の理由が考えられます。
小学校教師の笑顔で会話しているのに、言葉の中身は完全に牽制です。平和なキャンプと二人の緊張感の落差がたまりません。
104巻のチェス大会で互いの認識が明確になる

104巻のチェス大会では、黒田と若狭が17年前の記憶を持っていることが、さらに分かりやすく描かれます。
黒田は過去のチェス会場へ話を向け、若狭が浅香なのかを確認しようとします。
一方の若狭は、黒田の意図を理解しながらも、自分の過去を認めません。
読者には真相が見えているのに、当人同士では秘密共有が成立しない。このすれ違いが不穏です。
黒田は若狭=浅香かを確かめようとする
現在のチェス大会で黒田と若狭が顔を合わせた時、黒田は17年前の記憶へ踏み込みます。
黒田兵衛「キャンプ以前にも会った気がするんですが…しかもどこかのチェスの会場で…思い違いでしょうか?」
若狭留美「多分、他人の空似だと…思いますよ」
黒田は、若狭と17年前のチェス会場を明確に結びつけています。
ただし、「あなたは浅香だ」と断定するのではなく、若狭の反応を確認する形です。
若狭も、その問いを完全な勘違いとして笑い飛ばしてはいません。少し間を含むような返答で、「他人の空似」とかわしています。
黒田は一歩踏み込み、若狭は一歩引く。短い会話の中で、現在の二人の距離が綺麗に見えます。
若狭は黒田を覚えながら「他人の空似」とかわす
若狭は、黒田との過去を忘れているわけではない可能性が高いです。
104巻では、現在の二人の会話と並行して17年前の回想が描かれます。若狭が黒田を見た時の反応も、初対面の人物へ向けるものではありません。
そのため、「他人の空似」という返答は、本当に覚えていないのではなく、浅香としての過去を隠すための言葉と見るのが自然です。
ただし、若狭が現在の黒田をどこまで信用しているかは分かりません。
17年前、黒田は彼女を助けようとしました。一方で、浅香は最初に黒田を殺害犯と誤解し、意識を失わされてもいます。
救われた記憶と警戒すべき記憶が同じ相手へ重なっているのかもしれません。
同じ過去を知っているのに、片方は質問し、片方は否定する。感謝や説明ではなく、沈黙だけが残るのが切ないです。
若狭留美=レイチェル・浅香が確定
104巻「17年前の真相」で、若狭留美の正体がレイチェル・浅香だと判明します。
浅香はアマンダ・ヒューズのボディーガードで、羽田浩司殺人事件を生き延びた人物です。
登場当初はRUM候補として描かれましたが、実際にはアマンダと羽田浩司を殺害したRUMへ復讐を狙う側でした。
この正体が分かることで、新聞を見た黒田の反応、キャンプ場での険しい視線、チェス会場の会話が一本につながります。
ただし、若狭本人が黒田へ「自分は浅香だ」と告白したわけではありません。
読者に正体が明かされたことと、作中人物同士が秘密を共有したことは別です。ここを分けると、二人の現在の緊張感が分かりやすくなります。

黒田兵衛から見た若狭留美/若狭留美から見た黒田兵衛

黒田と若狭の関係は、双方から見た意味を分けると整理しやすいです。
黒田にとって若狭は、17年前の事件を生き延び、その空白を知る可能性がある人物です。
若狭にとって黒田は、最初に敵だと誤解したものの、結果として自分を黒の組織から逃がした人物でもあります。
ただし、二人とも現在の本音を語っていません。確定している行動と、本人が抱く感情は分けて考える必要があります。
黒田にとって若狭は17年前の生存者
黒田にとって若狭留美は、羽田浩司殺人事件を生き延びたレイチェル・浅香である可能性が高い人物です。
黒田は17年前、浅香と直接交戦し、その後、組織の追跡から逃がそうとしました。
そのため、浅香の顔、身体能力、チェス大会での姿を覚えていても不思議ではありません。
新聞記事を見た時点では確信まで届いていなかった可能性がありますが、キャンプ場や104巻のチェス大会を通して、現在の若狭と過去の浅香を照合しています。
ただし、作中で若狭が「公安の重要参考人」と正式に呼ばれたわけではありません。
黒田が知りたいのは、浅香が17年前に何を見たのか、なぜ若狭留美として帝丹小学校へいるのか、現在何を狙っているのかでしょう。
黒田にとって若狭は、事件の真相と黒の組織へつながる重要な生存者です。
若狭にとって黒田は命を救った人物でもある
若狭にとって黒田は、17年前に自分を制圧した相手であると同時に、組織から逃がした人物でもあります。
浅香は黒田を殺害犯だと誤解して襲い、気絶させられました。
しかし、黒田はそのまま浅香をホテルへ置き去りにせず、安全な場所へ移そうとしています。
組織員が浅香を捜していた状況を考えると、黒田の判断が結果として彼女の生存へつながりました。
ただし、若狭本人が黒田へ感謝を伝えたり、恩人として信頼したりする場面はありません。
「黒田が救った」という行動の事実と、「若狭が黒田をどう思っているか」という感情は別です。
命を救われたからすぐ仲間になるのではなく、17年後も距離が残っている。この後味が強いです。
若狭が黒田を今も警戒する理由は未確定
若狭が現在も黒田へ強い警戒を向ける正確な理由は、まだ明かされていません。
まず考えられるのは、浅香としての正体を知られたくないことです。
黒田は17年前の浅香を知り、現在は警視庁捜査一課の管理官です。若狭が復讐を続けるうえで、自分の行動を監視されるのは都合がよくありません。
また、黒田の右目が義眼であることから、若狭がRUMを連想した可能性もあります。
さらに、17年前は黒田を殺害犯と誤解して襲っており、その時の記憶が単純な信頼へ変わっていないことも考えられます。
ただし、若狭が現在も黒田を恨んでいる、黒田をRUMだと確定している、復讐対象にしているとは断定できません。
警戒の理由が一つではなく、複数の記憶と秘密が重なっている可能性があります。だから二人の会話には、単純な敵意では片づけられない重さがあります。
黒田兵衛・若狭留美・RUMの関係

黒田兵衛、若狭留美、脇田兼則は、長くRUM候補として並べられてきました。
現在は、脇田兼則がRUM、黒田は公安側、若狭はRUMへの復讐側だと分かっています。
候補だった三人の正体が判明したことで、RUM編は「誰がRUMか」から「それぞれがいつ正面衝突するか」という段階へ進みました。
RUMの正体は脇田兼則
黒の組織No.2であるRUMの正体は、いろは寿司の板前として活動する脇田兼則です。
脇田は毛利小五郎へ弟子入りする形で、毛利探偵事務所やコナンの周辺へ接近しました。
片目が義眼で、せっかちな性格を持ち、17年前の羽田浩司殺人事件にも深く関わっています。
そのため、黒田と若狭はRUMではありません。
黒田はRUMを含む黒の組織を追う公安側。若狭はRUMにアマンダと羽田浩司を奪われた生存者です。
三人が同じ候補枠に置かれていた時は全員が怪しく見えました。しかし正体が判明すると、追う側、復讐する側、追われる本物という関係へひっくり返ります。

若狭はRUMへの復讐を狙う
若狭留美/レイチェル・浅香は、RUMへの復讐を狙っています。
浅香にとってアマンダ・ヒューズは、守るべき雇い主であり、それ以上に大切な存在でした。
さらに、羽田浩司も浅香を守ろうとし、事件の中で命を落としています。
若狭は二人を奪ったRUMを17年間追い続けました。
ただし、彼女は警察や公安の捜査へ全面的に協力しているわけではありません。自分の情報を隠し、目的のためなら周囲を危険へ巻き込むこともあります。
黒田と共通の敵を持っていても、復讐と捜査では優先順位が違います。
一緒に戦えば頼もしいのに、RUMへ決着をつける瞬間には衝突する可能性がある。この危うさが残っています。

黒田は公安警察・降谷零の上司として組織を追う
黒田兵衛は、公安警察の降谷零/安室透の上司です。
黒田は警視庁捜査一課の管理官として動きながら、降谷と連絡を取り、黒の組織に関する情報へ関わっています。
17年前にも、ホテル事件の異変へ気づき、浅香を狙う組織員を退けました。
そのため、黒田と若狭には、RUMと黒の組織を追うという共通点があります。
ただし、黒田は警察・公安として組織の捜査や壊滅を目指す立場です。若狭のように個人的な復讐を優先する人物とは、同じ方法を選ぶとは限りません。
同じ敵を追いながら、黒田は法と捜査、若狭は怒りと執念で進む。この対比が二人の今後を面白くしています。

黒田兵衛と若狭留美の関係が分かる原作・アニメ回
黒田兵衛と若狭留美の関係は、92巻で違和感が置かれ、93巻で現在の再会、104巻で17年前の真相へ進みます。
さらに108巻では、若狭と本物のRUMの因縁が現在へつながりました。
- 92巻「白い手の女」/アニメ896話・897話
- 93巻「燃えるテントの怪」/アニメ909話・910話
- 104巻「17年前の真相」/アニメ1164話〜1167話
- 108巻FILE.1147〜1150「混沌の行先」
この順番で追うと、ただ険悪に見えた二人の関係が、17年前の誤解と救出へひっくり返る流れを確認できます。
92巻・アニメ896話〜897話|黒田が若狭を意識
原作92巻「白い手の女」、アニメ896話・897話では、若狭留美の活躍が新聞へ載ります。
黒田はその記事を見て、若狭の名前へ反応しました。
この時点では、二人の17年前の接点は読者へ明かされていません。
そのため初見では、RUM候補である黒田が、同じ候補の若狭を警戒したように見えます。
104巻後に見返すと、黒田の中で過去の浅香と現在の教師が重なり始めた場面へ意味が変わります。
新聞の短い記事が、17年前の生存者同士を再び近づける。日常の小さな描写が後から効くのが気持ちいいです。
93巻・アニメ909話〜910話|燃えるテントの怪
原作93巻、アニメ909話・910話「燃えるテントの怪」では、黒田と若狭が現在で直接対面します。
黒田は白鳥刑事からキャンプの情報を聞き、若狭を確認するため現地へ来ました。
若狭も黒田の観察意図へ気づき、皮肉を交えた会話をします。
さらに、黒田の義眼と若狭の右目が強調され、二人がRUM候補として激しく牽制し合っているように見せられました。
しかし104巻を知ると、この場面は初対面ではなく17年ぶりの再会です。
平和なキャンプ回なのに、二人の視線だけはホテル事件の続きをしている。この温度差がすごいです。
104巻・アニメ1164話〜1167話|17年前の真相
原作104巻、アニメ1164話〜1167話「17年前の真相」で、黒田と若狭の本当の関係が明かされます。
現在のチェス大会から、17年前にアマンダ、羽田浩司、浅香、黒田、RUMが集まったホテル事件へ物語が移ります。
浅香は黒田を殺害犯と誤解して襲いました。
黒田は浅香を気絶させましたが、組織に狙われていることを察し、安全にホテルから出そうとします。
その後、二人は組織の追跡を受け、逃走中に事故へ遭いました。
「燃えるテント」では敵同士に見えた二人が、実は守る側と逃がされた側だった。この回収がかなり強いです。
ただし、現在の二人がすべてを話し合ったわけではありません。過去が明かされても、関係にはまだ余白が残ります。
108巻FILE.1147〜1150|若狭とRUMの因縁が現在へ
原作108巻FILE.1147〜1150「混沌の行先」では、若狭留美と脇田兼則/RUMの因縁が現在の組織編へ進みます。
若狭が17年間追ってきた相手が、ようやく同じ盤面へ入りました。
ただし、このシリーズでも黒田と若狭の正式な共闘は描かれていません。
黒田が公安側からどこまで状況を把握しているのか、若狭が黒田へ協力を求めるのかも未確定です。
2026年7月20日時点ではアニメ未放送の範囲です。
104巻で過去の関係は回収されましたが、108巻では若狭とRUMの因縁が先に動きます。黒田がその決着へどう入るのかが、次の大きな見どころです。


まとめ
黒田兵衛と若狭留美は、17年前の羽田浩司殺人事件で接点を持った関係です。
「燃えるテントの怪」だけを見ると、黒田と若狭は互いを探る危険な敵同士に見えます。
ところが104巻を知って見返すと、若狭が睨んでいる相手は、17年前に自分を黒の組織から逃がそうとした人物です。
救った側と救われた側なのに、現在では感謝も説明もありません。交わされるのは皮肉と探るような質問だけです。
同じ事件を生き延び、同じRUMへつながっているのに、二人はまだ過去を言葉にできていません。
黒田は警察と公安の立場から組織を追い、若狭はアマンダと羽田浩司のために復讐を狙います。
共通の敵がいるのに、方法が違う。助けた過去があるのに、信頼は完成していない。この「敵ではないのに味方とも言い切れない」距離感が、黒田兵衛と若狭留美の関係で一番面白いところです。
108巻では若狭とRUMの因縁が現在へ進みました。次に黒田がその盤面へ入れば、17年前から止まっていた二人の関係も大きく動く可能性があります。



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