1999年5月10日〜1999年5月17日放送の「上野発北斗星3号」。
前回のアニメ放送は143話「疑惑の天体観測」でした。
今記事では「上野発北斗星3号」は原作orアニオリなのか?話のネタバレや犯人などを含めて解説します。
※ここからは簡単なネタバレを含むため、注意してください。
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アニメ144話〜145話「上野発北斗星3号」は何巻?原作で何話?
アニメ放送されている「上野発北斗星3号」は原作コナンの話となり、対象の単行本は22巻です!
名探偵コナン22巻に掲載されている話↓
File1:おそろいや
File2:証拠は…
File3:かかった獲物
File4:北斗星
File5:馬脚を露わす1?
File6:to be continued…
File7:終着駅
File8:それゆけ園子
File9:眠り姫
File10:蹴撃の貴公子
アニメ「上野発北斗星3号」の簡単なあらすじ

公式HPのあらすじはこちら↓
コナン達は籏本夏江に招かれ北海道に向かう特急・北斗星の中にいた。列車が青函トンネルに入った時に、ロビー車両で宝石店のオーナーが射殺された。
「銃声と悲鳴がトンネル内の轟音をかき消した…」頭によぎる一文節。1週間前に起きた宝石強盗事件、そして今回の犯行の流れに、コナンは奇妙な符合を感じる。それは、かつて工藤優作が書き、途中で放棄した小説の筋書きだった。
同じく宝石強盗の事件に、小説の冒頭との一致を感じた優作も帰国し、有希子も北斗星に乗り込んでいた。コナンと有希子は犯人のトリック…
優作のトリックに挑む。
https://websunday.net/episode/11966/
アニメ「上野発北斗星3号」の登場人物

「上野発北斗星3号」の登場人物
・江戸川コナン
・毛利蘭
・毛利小五郎
・工藤優作
・工藤有希子
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アニメ「上野発北斗星3号」のネタバレ&伏線

アニメ「上野発北斗星3号」は、第144話・第145話で描かれる前後編です。
寝台列車「北斗星」を舞台にした事件でありながら、ただの列車ミステリーではなく、工藤優作・工藤有希子が深く関わる工藤家回としても見応えがあります。
コナンの両親の推理力、変装力、行動力を理解するうえでかなりおいしい位置にある回です。
工藤優作と工藤有希子が事件の中心に関わる工藤家回
この回で確定するのは、工藤優作と工藤有希子が列車事件の外側ではなく、事件の中心に深く関わっていることです。優作の未発表小説が事件の筋書きとして利用され、有希子も明智文代に変装して動くため、コナンだけでなく工藤家全体で真相へ向かう回になっています。
名探偵コナン全体で見ると、これはコナンの正体を知る両親が、ただ見守る存在ではなく、推理力と変装力で物語に入れる人物だと示す場面です。事件の流れが優作の小説と同じだとコナンが気づき、明智文代の正体が有希子だと分かり、最後は優作が推理を披露する流れで、その存在感が一気に出ます。
札幌駅で有希子が危険にさらされ、優作がそれを阻止する場面も、夫婦としての呼吸と工藤家の頼もしさを強く見せています。有希子は大胆に動き、優作は冷静に締めるので、コナンの推理だけではない家族回としての厚みが出るんですよね。
今後の工藤家を見るうえでも、父の頭脳、母の行動力、息子の推理が同じ事件で重なるこの構図はかなりおいしいです。見返すと、寝台列車事件という単発の枠を超えて、工藤家の強さと距離感がちらっと見え、親子それぞれの役割が噛み合うところが胸熱で、見返すほど工藤家回としての濃さが増します。
明智文代の正体が工藤有希子だと判明する
この回では、明智文代として登場していた人物の正体が工藤有希子だと判明します。明智文代は別の継続キャラではなく、有希子が変装して事件に関わっていた姿として整理するのが大事です。
コナン全体で見ると、有希子の変装力がただの特技ではなく、事件の中で能動的に使える武器だと分かる回です。明智文代の言動にコナンが違和感を持ち、正体が有希子だと分かる流れは、母親としての顔と、女優として培った変装力が同時に見えるのが面白いです。
有希子は、加越をおびき出すためにトリックを見たように振る舞い、事件解決へ向けてかなり大胆に動きます。ただ変装して潜んでいるだけではなく、自分から危険な役を引き受けるところに、有希子らしい行動力が出ています。
今後、有希子が変装を使って動く場面を見るとき、この回を知っていると「母親だけど相当強い人だ」と感じやすくなります。見返すと、明智文代の不自然さが単なる怪しさではなく、有希子の遊び心と度胸に変わって見えるのが気持ちいいです。
コナンが父・優作の未発表小説のトリックに挑む
この回で確定する大きなポイントは、事件の流れが工藤優作の未発表小説と重なっていることです。コナンはその一致に気づき、父が作った物語を現実の事件として追うような形で推理を進めていきます。
名探偵コナン全体で見ると、これは新一/コナンの推理力の源流に、父・優作の存在があることを強く感じられる構図です。犯人が優作の小説をなぞることで、コナンは事件の真相だけでなく、父の頭の中にあるロジックにも向き合うことになります。
優作の原稿が過去に浅間たち強盗団へ奪われていたことが分かる場面も、小説と事件がつながる決定的な切り替わりです。ただの偶然ではなく、優作の物語が現実の事件に利用されていると分かる瞬間、列車事件の空気が一段不気味になります。
今後の優作登場回を考えると、この「父の作った筋書きに息子が挑む」感覚は、親子の推理力の差とつながりを同時に見せる材料になります。見返すと、コナンが真相へ近づくたびに、父の影も一緒に濃くなるところが胸にきます。
優作の推理作家としての格が強く出る
この回では、工藤優作が自分の未発表小説を利用した事件の構造を見抜き、最後に推理を披露することで、推理作家としての格が強く出ます。コナンが違和感を拾って真相へ近づく一方で、最後の締めを優作が持っていく構成になっているのが印象的です。
コナン全体で見ると、優作は「新一の父」というだけでなく、推理面で一段上の存在として描かれます。札幌駅で有希子を救う行動力もあり、推理だけでなく状況を読む冷静さまで見えるのが頼もしいです。
優作が加越の犯行を見抜き、推理を披露する場面は、作者本人が自分の物語を悪用した事件をほどいていくような気持ちよさがあります。小説の筋書きを利用した犯行が、その小説を書いた本人に崩されるのは、推理ものとしてかなり痛快です。
今後の優作登場回でも、この回の「一段上から事件を見ている感じ」はキャラ理解に残ります。見返すと、コナンが悔しいというより、父のすごさを目の当たりにするような空気があり、親子回としての余韻がしっかり残ります。
アニメ「上野発北斗星3号」のあらすじ&事件の流れ

アニメ「上野発北斗星3号」は、北海道へ向かう寝台列車の旅から始まり、青函トンネル内の殺人へ一気に落ちる前後編です。A寝台や食堂車の旅情があるからこそ、閉じられた列車内で事件が起きたときの温度差が強く出ます。
さらに、事件の筋書きが工藤優作の未発表小説と重なることで、単なる乗客同士の事件ではなく、工藤家の要素も絡む濃い流れになっています。
籏本夏江の招待で北海道へ向かう
物語は、籏本夏江に招待されたコナン、蘭、小五郎が北海道へ向かうところから始まります。北斗星3号のA寝台で列車旅が始まり、最初はかなり旅情のある導入になっています。
ここで大事なのは、北斗星3号という移動しながら閉じられた空間に入ることです。A寝台、食堂車、ロビーカー、個室という車内の構造が、後の事件で少しずつ意味を持ってきます。
まだ事件の気配は薄く、蘭や小五郎にも北海道旅行への高揚感があります。だからこそ、優雅な列車旅がこのあと殺人事件へ変わる落差が大きく、見ている側も「この空間で何が起きるのか」と自然に身構えてしまいます。
食堂車で出雲啓太郎たちと出会う
食堂車では、宝石店オーナーの出雲啓太郎や関係者たちと出会います。ここで過去の宝石強盗事件も話題になり、列車旅の明るさに少しずつ不穏な背景が混ざり始めます。
視聴者が引っかかるのは、出雲がなぜ北斗星に乗っているのか、そして過去の強盗事件が今の乗客たちとどう関係するのかです。「話が違う」という違和感も、単なる会話ではなく、後で事件の背景を考えるうえで効いてきます。
出雲啓太郎、浅間安治、加越利則という人物が並ぶことで、列車の中に過去の犯罪の影が持ち込まれます。食堂車の空気はまだ落ち着いていますが、楽しい旅の中に見えない火種が置かれている感じがあり、ここから空気がじわっと変わっていきます。
青函トンネル通過中に出雲啓太郎が射殺される
青函トンネル通過中、ロビーカーで出雲啓太郎が射殺されます。それまでの寝台列車のロマンが、一発の銃声で一気に殺人事件へ変わる場面です。
犯人らしき男は浅間の部屋へ逃げ込んだように見え、周囲には「浅間が出雲を撃った」という分かりやすい構図が提示されます。ただ、あまりにも筋書きどおりに見えるからこそ、本当に浅間なのかという違和感も残ります。
青函トンネルという場所もかなり効いていて、外へ逃げられない閉塞感と、後の遺体落下トリックの舞台が同時に作られています。蘭や小五郎が衝撃を受ける中、コナンは状況の見え方に引っかかり始め、列車内の緊張が一気に高まります。
浅間の部屋の窓が割れ、転落死に見える状況が作られる
浅間の部屋では窓ガラスが割れており、犯人が窓から逃げたように見える状況が作られています。その後、浅間安治の遺体がトンネル内で見つかるため、「浅間が出雲を殺し、逃走中に転落死した」という流れが見えやすくなります。
ただし、ここで引っかかるのが、窓ガラスの破片が見つからないことです。さらに、浅間の遺体のベルト穴に残るビニールテープ片も、単純な転落死では説明しきれない違和感として残ります。
この場面は、事件が終わったように見えながら、実は真相へ向かう不自然さが置かれているところが上手いです。周囲は浅間犯人説を受け入れやすくなりますが、コナンには「出来すぎた筋書き」に見え、空気が一段深い謎へ沈んでいきます。
事件が優作の未発表小説と同じだとコナンが気づく
コナンは、出雲射殺から浅間の転落死に見える流れが、工藤優作の未発表小説と同じ筋書きだと気づきます。ここで事件は、単なる列車内の殺人ではなく、優作の小説をなぞる事件として見え方が変わります。
視聴者が引っかかるのは、なぜ犯人が未発表小説の内容を知っているのかという点です。過去に優作の原稿が浅間たち強盗団へ奪われていたことが分かることで、小説と現実の事件が一本線でつながっていきます。
この切り替わりはかなりゾクッとします。父の作った物語が現実の殺人に使われることで、コナンの推理にも家族の影が差し込み、列車事件の不穏さが一気に広がります。
明智文代の正体が工藤有希子だと分かる
事件の途中で、明智文代として登場していた人物の正体が工藤有希子だと分かります。列車内の乗客の1人だと思っていた人物がコナンの母だったと分かるので、ここはかなり大きな正体バレです。
コナンは明智文代の言動に違和感を持ち、乗馬に関する不自然な発言などから正体へ近づいていきます。有希子の変装はただの驚きではなく、事件の真相に近づくための行動として効いているのが良いです。
この場面で、事件の裏に優作と有希子も関わっている流れがはっきり見えてきます。コナンだけが事件を追っているのではなく、工藤家それぞれが別の角度から動いている感じが出て、物語の厚みが増します。
有希子が加越をおびき出すために動く
有希子は、加越をおびき出すために、トリックを見たように振る舞います。推理を待つだけではなく、自分から危険を引き受けて事件を動かすところに、有希子の大胆さが出ています。
ここで加越は、有希子が自分のトリックを見抜いたのではないかと考えます。有希子の「長いものを見た」ような証言が、犯人の警戒心を刺激し、札幌駅での危機へつながっていきます。
この場面は、列車内の推理から、犯人を動かすための心理戦へ空気が変わるポイントです。有希子の行動を見て、コナンも真相へ近づいていくため、母の大胆さが事件解決の流れにちゃんと効いているのが頼もしいです。
札幌駅で有希子が狙われ、優作が阻止する
札幌駅では、加越が有希子をホームへ突き落とそうとします。有希子がトリックを見抜いたと考えた加越が、口封じのように動くことで、犯人としての行動が表に出ます。
その瞬間、工藤優作が加越の行動を阻止します。この場面は、有希子の危機を優作が冷静に救う流れになっていて、夫婦としての呼吸がかなり頼もしいです。
同時に、優作がどこまで事件を見抜いていたのかも見えてくる場面です。推理の違和感が犯人の直接行動で確定へ向かるため、列車内で積み上がった不穏さが札幌駅で一気に回収される感覚があります。
優作の推理と変装道具で加越の犯行が暴かれる
最後は、優作が推理を披露し、浅間犯人説が崩れていきます。コナンが加越のバッグから、浅間に変装するための衣類やサングラスを見つけたことで、加越が出雲と浅間を殺害した真犯人だと確定します。
ここで効いてくるのが、浅間のベルト穴のビニールテープ片、窓ガラスの破片が見つからないこと、そして釣り糸とリールの仕掛けです。一つひとつの違和感が、浅間が逃げて転落したという見せかけを崩していきます。
加越は犯行を認め、優作の説得を受けて自首する流れになります。小説をなぞった犯行が作者本人の推理で崩される結末は、事件の背景は苦いのに、推理としてはかなり気持ちいい締め方です。
事件の流れを短く整理
流れを短く並べると、北斗星3号の旅情から青函トンネルの殺人、そして工藤家が絡む真相回収までが一気に見えてきます。特に、浅間犯人説が分かりやすく提示されながら、最後に加越へひっくり返る構成が見どころです。
- 籏本夏江に招待され、コナン・蘭・小五郎が北海道へ向かう。
- 北斗星3号のA寝台で列車旅が始まる。
- 食堂車で宝石店オーナー・出雲啓太郎と関係者に出会う。
- 過去の宝石強盗事件が話題になる。
- 青函トンネル通過中、出雲が射殺される。
- 犯人らしき男が浅間の部屋へ逃げ込む。
- 部屋の窓ガラスが割れており、犯人が外へ逃げたように見える。
- トンネル内で浅間安治の遺体が見つかる。
- 事件の流れが工藤優作の未発表小説と同じだとコナンが気づく。
- 明智文代の正体が工藤有希子だと分かる。
- 優作の原稿が過去に浅間たち強盗団へ奪われていたことが判明する。
- 有希子が加越をおびき出すため、トリックを見たように振る舞う。
- 札幌駅で有希子が狙われ、優作が阻止する。
- 優作が推理を披露し、加越のバッグの変装道具が決定打になる。
- 加越が犯行を認める。
アニメ「上野発北斗星3号」の犯人&トリック

犯人は加越利則です。被害者は出雲啓太郎と浅間安治です。加越は、浅間が出雲を撃って逃走中に転落死したように見せかけていましたが、実際には浅間を先に殺害し、その後で浅間に変装して出雲を射殺していました。決め手は、加越のバッグに残っていた浅間への変装道具です。
犯人:加越利則
真犯人は加越利則です。加越は列車内で出雲啓太郎を射殺し、さらに浅間安治も殺害していました。
事件中は、浅間が出雲を撃ち、その後に逃走して転落死したように見せかけています。しかし実際には、加越が浅間に変装して目撃者の認識をずらし、浅間自身も犯人に見える形で処理していた構造です。
動機:薬物で死亡した強盗団仲間の女性への復讐
動機の背景には、薬物で死亡した強盗団仲間の女性への復讐心があります。その女性の死には、薬物を裏で扱っていた出雲啓太郎と、その女性に薬を覚えさせた浅間安治が関係していました。
加越にとって、出雲と浅間は復讐の標的でした。さらに、偶然手に入れた工藤優作の未発表小説の筋書きが自分の境遇と重なり、その物語を犯行計画として利用できると考えます。
引き金になったのは、復讐心と、小説の筋書きに沿えば自分の目的を果たせるという考えが重なったことです。加越の犯行は許されませんが、優作の物語をなぞるほど執念に飲まれていたところには、かなり苦い後味が残ります。
トリック:浅間犯人説と転落死を作る二重偽装
この事件のトリックは、浅間安治を犯人に見せかけ、さらに浅間自身が逃走中に転落死したように見せる二重偽装です。変装、釣り糸、リール、ビニールテープ、割れた窓がそれぞれ役割を持ち、列車内という特殊な舞台で一本線につながります。
準備
加越は先に浅間安治を殺害し、遺体のズボンのベルト穴に釣り糸を通します。そして、割った窓の外へ浅間の遺体を吊るしておきます。
釣り糸の両端は加越の自室まで引かれ、片方は固定され、もう片方はリールに取り付けられました。さらに、浅間に変装するための衣類やサングラスも用意し、「浅間が出雲を撃った」と見せる準備を整えます。
実行
加越は浅間に変装し、ロビーカーで出雲啓太郎を射殺します。その後、浅間の部屋へ逃げ込んだように見せることで、周囲に浅間犯人説を強く印象づけます。
コナンたちへの威嚇射撃後、加越は隙を見て階段の陰に隠れます。そこで釣り糸を切ってリールで巻き取り、窓の外に吊るしていた浅間の遺体を青函トンネル内へ落下させました。
発覚回避
加越は、浅間の部屋の窓を割り、浅間が外へ逃げたように見せました。さらに、浅間の部屋のドアの内側に釣り糸とビニールテープを使った仕掛けを作り、ドアが自動で閉まるように見せています。
この工夫によって、浅間が部屋へ逃げ込み、窓から外へ出て、そのまま転落死したという流れが作られます。変装と遺体落下を組み合わせて、目撃者の記憶と現場の見え方を同時に操っているのが怖いです。
綻び
綻びのひとつは、割られた窓ガラスの破片が見つからないことです。本当に窓から逃げたなら自然に見えるはずの破片がないため、窓の状況そのものに違和感が生まれます。
さらに、浅間の遺体のベルト穴にはビニールテープの切れ端が残っていました。これは、釣り糸と仕掛けで遺体を吊っていたことを示し、浅間が自分で逃げて転落したという見せかけを崩していきます。
決め手:加越のバッグにあった変装道具
決め手は、加越のバッグに入っていた、浅間に変装するための衣類やサングラスです。これにより、出雲を撃った人物が本物の浅間ではなく、浅間に変装した加越だったことが示されます。
補助的な決め手として、窓ガラスの破片が見つからないことは、窓から逃げたように見せる偽装への違和感になります。また、浅間のベルト穴に残ったビニールテープ片は、遺体が釣り糸と仕掛けで吊られていたことを示します。
つまり、変装道具が「撃った人物」の矛盾を崩し、窓とベルト穴の違和感が「転落死に見える流れ」を崩す形です。証拠が別々に見えて、最後には浅間犯人説を丸ごとひっくり返すのが気持ちいいです。
結末:加越が犯行を認め、自首する流れになる
札幌駅で有希子を狙った加越は、工藤優作に阻止されます。その後、優作が推理を披露し、コナンが加越のバッグから変装道具を見つけたことで、加越の犯行は暴かれます。
加越は犯行を認め、優作の説得を受けて自首する流れになります。事件は解決しますが、寝台列車の優雅な旅に薬物と復讐の重い背景が重なっていたことを思うと、すっきりだけでは終われない後味が残ります。
第144・145話「上野発北斗星3号」の感想&まとめ

上野発北斗星3号は、旅情ある寝台列車から復讐劇へ落ちる前後編です。工藤家の強さと、物語をなぞる事件の不気味さが濃く残ります。
①寝台列車の旅から青函トンネルの殺人へ落ちる温度差が強い
北斗星3号の導入は、A寝台や食堂車の旅情があるからこそ効いています。そこから青函トンネル内の射殺へ落ちる流れは、楽しい旅行が一気に冷える温度差が強く、列車ものならではの緊張が出ています。
動く列車という逃げ場の少ない舞台も、静かな閉塞感を作っています。過去の宝石強盗事件が会話に混ざることで、旅の高揚感の裏に不穏さがにじむのも良いです。
見返すと、乗客との出会いの時点で過去の犯罪がじわっと列車内へ持ち込まれているのが怖いです。優雅なのに逃げ場がない、この対比が最後まで効いていて、事件後の苦さまでしっかり刺さります。
②優作の未発表小説をなぞる事件構成が面白い
この事件は、工藤優作の未発表小説を現実がなぞる構成がかなり面白いです。コナンが父の作った物語に挑み、最後は作者本人が崩す流れが推理ものとして気持ちいいです。小説と現実が重なる不気味さも、夜の寝台列車に合っていて、列車の夜の空気まで不穏に見えてきます。
犯人が筋書きを借りたはずなのに、その筋書きの作者に見抜かれるのが痛快です。事件の順番を知ったうえで見ると、どこまで優作の物語が再現されているのか追い直したくなります。
不気味さと爽快感が同居していて、ただの列車事件では終わらない濃さがあり、構成の綺麗さも残ります。
③有希子の変装と優作の推理が工藤家回として刺さる
有希子の変装と優作の推理が入ることで、この前後編は工藤家回としても濃くなります。明智文代の正体に気づく流れも、札幌駅で優作が動く場面も、家族それぞれの強さが見えて頼もしいです。
コナンが事件を追いながら、両親の実力を感じる構図も胸にきて、親子回としての温度が上がります。有希子の大胆さと優作の冷静さが並ぶことで、工藤家らしい余裕が見えるんですよね。
見終わると、事件の苦さと一緒に、家族の呼吸の良さが温かく残ります。単発事件なのに、コナンの背景まで見え方が深まり、次に工藤家が出る回も見返したくなり、この家族の強さを改めて追いたくなります。
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