冷凍車の時に出てきてた三毛猫の「大尉」。今回のアニメ放送ではそんな大尉が主役のお話で、大尉の飼い主を捜します。
後編ではその飼主の家に行くと…というような少し長めのお話になります!
今回は2014年9月20日・9月27日放送のアニメ名探偵コナン751話・752話「招き三毛猫の事件」のあらすじとネタバレを紹介していきます。
※再放送としては2020年6月20日・6月27日も放送されてる内容にもなります!
※ここからはネタバレを含むため、注意してくださいね。
「招き三毛猫の事件 」の対象マンガ
今回のお話は原作「名探偵コナン 82巻」の内容になります。
大尉のこちらのお話は意外と展開が多く、原作としては4話のお話が前編と後編になっています。
751話の前編の以下2話では飼い主が実際に誰なのか?というのを見つけるお話です↓
大尉の飼い主は誰?File865「三毛猫の大尉」の考察とネタバレ(感想)|漫画コナン
大尉の飼い主発見!File866「猫を被って」の考察とネタバレ(感想)|漫画コナン
752話の後編では大尉の飼い主の家にいった時の事件になります↓
容疑者は3人!File867「イタズラっ子」の考察とネタバレ(感想)|漫画コナン
猫を使ったトリック?File868「招き猫」の考察とネタバレ(感想)|漫画コナン
「招き三毛猫の事件」のあらすじ

公式HPのあらすじはこちら↓
喫茶ポアロが雑誌の取材を受け、店員の梓と三毛猫の大尉が雑誌に掲載される。すると困った事にフリーターの雨澤章吾、会社社長の益子貞司、主婦の舎川睦実と3人も自分が大尉の飼い主だと名乗り出てしまう。
コナンは3人も飼い主が現れたのは大尉が特別な三毛猫だからと気付いていた。
そして、本物の飼い主は無事見つかるが…。後日、その飼い主が事件に巻き込まれてしまう…。
アニメ「招き三毛猫の事件」のネタバレ&伏線

「招き三毛猫の事件」は、喫茶ポアロの日常に三毛猫の大尉という存在を深く結びつける前後編。
最初は飼い主探しの可愛い空気で進みますが、後半では益子貞司の重傷事件へ一気に落ちていきます。
ただ、この回をコナン全体で見るなら、密室トリックそのものよりも、大尉の背景とポアロ周辺の関係性が整理されるところが大きいです。黒の組織やRUM方面へ直接つながる回ではありませんが、梓、安室、大尉がいる日常世界の厚みが増すのが良いんですよね。
大尉の飼い主関係が整理される回
この回でまず大きいのは、三毛猫の大尉が単なるポアロ周辺の猫ではなく、益子貞司の飼い猫だったと分かるところ。
喫茶ポアロが雑誌に載り、梓と大尉の写真が出たことで、雨澤章吾、益子貞司、舎川睦実が飼い主候補として現れます。猫をめぐる小さな騒動に見えるのに、ここで大尉の過去が一気に前へ出てくるのが面白いです。
飼い主探しは、ただ「誰の猫か」を確認するだけではなく、コナンと安室が候補者の言動を見極める推理パートにもなっています。
大尉が足音に反応する流れから、益子とのつながりが見えてくるのが気持ちいいです。
猫の反応という何気ない描写が、飼い主関係の決定打になるのが可愛いんですよね。
大尉の本名が「漱石」だと判明する
大尉の本名が「漱石」だと分かるのも、この回の大事な更新点です。ポ
アロ側では親しみを込めて「大尉」と呼ばれていますが、益子の飼い猫としては「漱石」という名前を持っていました。この呼び名の違いが、ポアロでの顔と本来の飼い主側での顔をつないでいて、地味に胸にくるんですよね。
名前が分かることで、大尉はマスコット的な猫から、きちんと生活の中にいた存在へ変わります。
ただ可愛いだけではなく、誰かに拾われ、誰かに飼われ、別の場所で別の名前で呼ばれていた猫として見えてくるわけです。こういう小さな設定の積み重ねが、コナンの日常回の温かさを支えています。
また、「大尉」と「漱石」という二つの名前があることで、梓たちの親しみと益子側の背景が重なります。
名前の判明は事件の犯人特定のための証拠ではありませんが、見返すと大尉の存在感が変わる情報です。
一匹の猫に複数の呼び名と居場所があるところが、この回の優しい余韻につながっています。
大尉が最終的に梓のもとへ戻る
事件後、大尉が最終的に喫茶ポアロ側、梓のもとへ戻る流れはかなり温かいです。
一度は益子貞司の飼い猫として整理されるため、梓にとっては大尉を手放すような寂しさもあります。だからこそ、最後に大尉が戻ってくる結末が、ポアロの日常を取り戻す感じになっていてホッとします。
この前後編は、途中で益子の重傷事件が起きるので、単純な猫回としては終わりません。大尉は事件発見のきっかけにもなり、さらに犯行側にも利用されてしまいます。
それでもラストで梓のもとへ戻ることで、大尉は事件の道具ではなく、やっぱりポアロの日常にいる存在として着地します。
この結末があるから、後味が完全に苦い方向へ沈みきらないんですよね。
アニメ「招き三毛猫の事件」のあらすじ&事件の流れ

第751話・第752話は、喫茶ポアロにいる三毛猫の大尉をめぐる飼い主探しから始まります。
前半は猫とポアロの温かい空気が中心ですが、後半では益子貞司のマンションで重傷事件が発覚します。
事件の流れで大事なのは、大尉の可愛い行動が、後から密室トリックの鍵へ変わっていくところ。
包装紙、リボン、本棚裏、ペットボトルの蓋という小道具が一本線でつながるため、見返すほど細部の見せ方が気持ちよくなります。
喫茶ポアロと大尉の写真から物語が動き出す
物語は、喫茶ポアロが雑誌に取り上げられ、梓と三毛猫の大尉の写真が掲載されるところから動き出します。
ポアロの日常にいる猫が雑誌に載るだけなら可愛い話ですが、その写真をきっかけに飼い主候補が現れることで、小さな謎が生まれます。日常の延長から事件の入口へ入っていく、コナンらしい始まり方です。
ここで引っかかるのは、なぜ急に複数の人物が大尉の飼い主として名乗り出るのかという点です。大尉が本当に誰かの飼い猫なのか、それとも別の理由で欲しがられているのかが気になります。
可愛い猫の写真が、ただの癒やしではなく、人物たちを動かすきっかけになるのが上手いです。
梓にとって大尉は、すでにポアロの日常にいる大切な存在です。だから飼い主が現れる展開には、少し寂しさも混ざります。猫をめぐる穏やかな騒動に見せながら、後の事件へ続く小さな不穏さがここから始まっています。
雨澤章吾、益子貞司、舎川睦実が飼い主候補として現れる
雨澤章吾、益子貞司、舎川睦実の3人が、大尉の飼い主候補として登場します。
それぞれが自分こそ飼い主だと主張するため、飼い主探しは単なる確認ではなく、推理の形へ変わっていきます。ここでポアロの可愛い空気に、観察力で真実を見抜く面白さが加わります。
視聴者側が引っかかるのは、3人の主張がそれぞれ食い違っているところ。
雨澤が大尉を欲しがる理由、舎川の猫に関する証言、益子がゴロを抱いた時の反応など、見比べるポイントが出てきます。誰が本当に大尉を大事にしているのか、言葉だけでは分かりにくいのがミスリードとして効いています。
ここで安室とコナンが自然に状況を見ていくのも楽しいです。
大事件の捜査ではなく、猫の飼い主探しなのに、二人の観察眼がしっかり働いているんですよね。ポアロの日常回でありながら、推理の空気がちゃんと立ち上がる場面です。
足音をヒントに益子貞司が本当の飼い主だと分かる
大尉が足音に反応することから、益子貞司が本当の飼い主だと分かります。
この瞬間、前半の飼い主探しは一度きれいに決着します。ポアロにいた大尉が、益子の飼い猫「漱石」として整理される流れです。
足音への反応は、猫らしい身近な描写なのに、飼い主を見極める手がかりとしてしっかり効いています。
大げさな証拠ではなく、日常の中にある反応で分かるのが温かいです。大尉が誰に心を許しているのかが行動で見えるので、推理でありながら感情も伝わります。
ただ、この温かい決着は後編の重傷事件へつながっていきます。益子と大尉の関係が整理されたからこそ、1週間後に益子の部屋で異変が起きた時の不穏さが増します。前半で見えた優しい関係性が、後半で事件の重さを引き立てる構成になっています。
1週間後、血のついた大尉の足から事件が発覚する
1週間後、コナンたちが益子のマンションを訪ねると、大尉の足に血がついていることに気づきます。
ここで物語の空気が一気に変わります。大尉の可愛い動きが続いていた前半から、血のついた足という不穏な絵へ落ちるので、かなりゾクッとします。
その後、益子貞司が頭から血を流して倒れているのが発見されます。益子は死亡したわけではありませんが、頭部を負傷して意識不明になる重傷です。
大尉は無邪気に動いているだけなのに、その足の血が事件発見の合図になるのが怖いです。
ここで視聴者が考えるのは、益子が事故で倒れたのか、それとも誰かに襲われたのかという点。
猫がきっかけで発覚するところは可愛い回の延長に見えますが、現場の重さはまったく別物です。ポアロの温かい導入から、益子の部屋の緊張感へ落ちる温度差がかなり強いです。
益子の部屋は密室状態で、事故に見える現場が残されている
益子の部屋は、鍵もドアロックもかかった密室状態に見えます。
さらに現場には、蛍光灯、椅子、掛け布団、スリッパなど、蛍光灯を取り替えようとして転倒した事故を思わせる状況が残されています。ここから事件は、事故なのか犯行なのかを見極める方向へ進みます。
ただ、事故に見える現場には不自然さがあります。
本当に蛍光灯交換中に転倒しただけなのか、なぜ密室状態なのか、犯人がいるならどうやって出たのかが引っかかります。
事故に見せる小道具がそろっているほど、逆に作られた現場の匂いが強くなるんですよね。
コナンはその違和感を追い始めます。
密室という言葉が出ると推理回としての緊張感が一気に高まりますが、大尉が関わっていることで、梓側の心配も重なります。可愛い猫と密室重傷事件が同じ画面にある落差が、この回ならではの不気味さを作っています。
インターホン録画から3人の訪問者が浮上する
インターホン録画から、露口降代、麻生茉莉、漆屋倫平の3人が益子の部屋を訪ねていたことが分かります。
ここで、事故の可能性だけでなく、誰かが益子に関わった事件として容疑者が具体化していきます。密室の謎に人物関係が加わることで、話がぐっと推理回らしくなります。
視聴者が気になるのは、3人のうち誰が益子とトラブルを抱えていたのかという点です。
さらに、漆屋の「エントランスを開けてもらった」という証言には不自然さがあります。この証言は一見ただの訪問時の説明ですが、密室工作を考えると引っかかるポイントになります。
容疑者の証言を比べる段階になると、事件はもう単なる転倒事故では見られません。誰かが益子の部屋に入り、何らかの工作をした可能性が強くなっていきます。
インターホン録画という具体的な記録が、密室の外側にいる犯人候補を浮かび上がらせるのが気持ちいいです。
包装紙はあるのにリボンだけがない違和感が浮かぶ
益子の部屋には包装紙、テープ、ハサミがあるのに、包装用リボンだけが見当たりません。
この「ない物」が、密室トリックを崩す入口になります。物があることではなく、あるはずの物が消えていることに注目するのが、いかにもコナンらしいです。
最初は、贈り物の準備の跡に見える小道具です。
けれど、包装紙やテープやハサミがそろっているのにリボンだけがないとなると、リボンが何かに使われた可能性が出てきます。何気ない包装用品が、鍵とドアロックを外から操作する道具へ変わっていく見せ方が巧いです。
さらに、益子が用意していた贈り物が何だったのかという点も、後の動機に関わっていきます。
キャリーバッグや大尉の存在も重なり、事件の仕掛けと感情面が同じ場所で絡んできます。小道具の違和感が、密室の謎と人間関係のすれ違いを同時に引き寄せていくのが面白いです。
大尉の習性が密室トリックの鍵になる
大尉には、リボンやペットボトルの蓋を本棚裏へ運ぶ習性があります。
この猫らしい可愛い癖が、後半では密室トリックの核心に変わります。前半で大尉を見ている時の癒やしが、事件解決の場面でまったく別の意味を持つのがゾクッとします。
犯人はリボンを使って外から玄関の鍵とドアロックをかけました。
本来ならそのリボンが現場に残るはずですが、大尉が揺れるリボンに反応してくわえ、本棚裏へ運んだことで、リボンが消えたように見えます。
猫の習性が、密室状態を成立させる仕掛けとして再配置されるのがすごく気持ちいいです。
ただし、大尉に悪意はありません。大尉はいつものように興味を引かれた物を運んだだけです。
その無邪気さを利用した犯行だからこそ、トリックの面白さと同時に後味の悪さも残ります。
漆屋倫平の誤解と犯行が明らかになる
最終的に、漆屋倫平が益子貞司を突き飛ばして重傷を負わせた犯人だと判明。
漆屋は金に困っており、益子から「いい贈り物を用意した」と言われたことで、金銭的援助を期待して訪ねていました。しかし、渡されそうになったものが現金ではなく大尉だったため、自分を馬鹿にしていると誤解して激高します。
ここで苦いのは、益子の意図が悪意ではなかったことです。益子は大尉を幸運を呼ぶ招き猫のような存在として、かつての飼い主でもある漆屋へ返そうとしていました。
好意として差し出されたものが、受け取る側の余裕のなさで侮辱に変わってしまうのが胸にきます。
漆屋は過去に子猫だった大尉を拾い、半年ほど飼ってから益子へ譲っていました。だからこそ、大尉の習性も知っていたわけです。
温かいはずの再会が、重傷事件と密室工作へ変わってしまう後味がかなり苦いです。
益子は退院し、大尉は梓のもとへ戻る
事件後、益子貞司は無事退院します。
死亡事件ではなく、重傷事件として終わる点は、この回を整理するうえで大事です。益子が助かることで、事件の苦さは残りつつも、完全な悲劇には沈みません。
そして、大尉は最終的に喫茶ポアロ側、梓のもとへ戻ります。飼い主関係が整理され、事件にも巻き込まれたあとで、最後にポアロの日常へ帰っていくのが温かいです。大尉が事件の道具としてだけ扱われず、梓との関係が残るところに救いがあります。
この締め方によって、前編の可愛い空気も少し戻ってきます。益子の好意が誤解されて事件になった苦さは消えませんが、大尉が帰る場所を得ることで後味がやわらぎます。
重傷事件の冷たさと、ポアロに戻る温かさが同居するラストです。
- 喫茶ポアロが雑誌に載り、梓と大尉の写真を見た人物たちが飼い主候補として現れる。
- 雨澤章吾、益子貞司、舎川睦実が大尉の飼い主だと名乗る。
- コナンと安室透が候補者たちを見極め、足音への反応から益子貞司が本当の飼い主だと分かる。
- 1週間後、コナンたちは益子のマンションで、血のついた足の大尉と重傷を負った益子を発見する。
- 現場は鍵とドアロックがかかった密室状態で、蛍光灯交換中の事故に見える。
- インターホン録画から、露口降代、麻生茉莉、漆屋倫平の3人が訪問者として浮上する。
- 包装紙やテープはあるのにリボンだけがない違和感が、密室トリックの入口になる。
- 大尉がリボンやペットボトルの蓋を本棚裏へ運ぶ習性が、密室トリックに使われていたと分かる。
- 漆屋倫平が犯人だと判明し、益子の好意を誤解して犯行に及んだことが明らかになる。
- 益子は後に退院し、大尉は最終的に梓のもとへ戻る。
アニメ「招き三毛猫の事件」の犯人&トリック

この回の犯人は、漆屋倫平です。
益子は頭部を負傷して意識不明になる重傷を負い、後に無事退院します。
犯人は漆屋倫平
益子貞司を突き飛ばして重傷を負わせた犯人は、漆屋倫平です。
漆屋は、益子を殺害した犯人ではなく、益子に頭部の重傷を負わせた人物として整理するのが正確です。死亡事件ではないので、ここは混同しない方が良いです。
漆屋は益子と大学時代からの付き合いがあり、同じ年にデビューした作家仲間でもあります。さらに、漆屋は過去に子猫だった大尉を拾い、半年ほど飼ってから益子へ譲っていました。
つまり漆屋は、益子との関係だけでなく、大尉の過去にも関わっている人物です。
このつながりが、事件の動機とトリックの両方に効いてきます。大尉の習性を知っていたことが密室工作へつながり、益子の贈り物を誤解したことが犯行の引き金になります。
人間関係と猫の習性が同時に犯人へ集まっていく構成が綺麗です。
動機は金銭的援助への期待と好意の誤解
漆屋倫平の動機の背景には、金に困っていたことがあります。
益子から「いい贈り物を用意した」と言われた漆屋は、金銭的援助を期待して益子のもとを訪ねました。ここで、漆屋の中では「贈り物」が現金や助けになるものとして膨らんでいたわけです。
しかし、実際に渡されそうになったのは大尉でした。漆屋はそれを、自分を馬鹿にしている行為だと受け取ってしまいます。
期待が大きかった分、現実とのズレが怒りへ変わってしまうのが、この事件の引き金です。
ただ、益子の意図は漆屋を侮辱することではありませんでした。益子は大尉を幸運を呼ぶ招き猫のような存在として、かつての飼い主でもある漆屋へ返そうとしていたのです。
善意が相手の余裕のなさによって真逆に受け取られるところが、かなり苦いです。
そして、その誤解が決定打になり、漆屋は激高します。
益子の好意は届かず、大尉をめぐる温かいはずのやり取りが重傷事件へ変わってしまいました。犯行を正当化することはできませんが、すれ違いの後味は強く残ります。
トリックはリボンと大尉の習性を使った密室工作
漆屋のトリックは、包装用リボンと大尉の習性を使い、益子の部屋を密室状態に見せるものです。
鍵とドアロックがかかった部屋に見せるため、漆屋は外から操作できるようにリボンを利用しました。さらに、そのリボンが現場に残らないよう、大尉の行動まで計算に入れていました。
このトリックで面白いのは、猫の無邪気な習性が人間の工作を隠す形になっているところです。大尉は揺れるリボンに反応し、それをくわえて本棚裏へ運びます。
犯人が直接証拠を持ち去るのではなく、猫の動きでリボンが消えたように見せる発想が巧いです。
準備:包装用リボンと大尉の習性を利用する
漆屋は、益子の部屋にあった包装用リボンを密室工作に利用します。
部屋には包装紙、テープ、ハサミがあり、贈り物を用意していた状況が見えます。その中でリボンだけが後から重要な道具になるのが、いかにも小道具回収の気持ちよさがあります。
さらに漆屋は、大尉がリボンやペットボトルの蓋を本棚裏へ運ぶ習性を知っていました。これは、漆屋が過去に大尉を飼っていたからこそ利用できた点です。
大尉との過去が、犯人にしか使えないトリックの条件になっているのが大きいです。
実行:益子を突き飛ばし、外から鍵とドアロックをかける
漆屋は益子を突き飛ばし、頭部に重傷を負わせます。
その後、包装用リボンを使って、外から玄関の鍵とドアロックをかけました。これにより、部屋の外へ出たあとでも、室内から施錠されたような密室状態を作ることができます。
現場には、蛍光灯、椅子、掛け布団、スリッパなどがあり、益子が蛍光灯を取り替えようとして転倒した事故のようにも見えます。
密室と事故偽装を重ねることで、犯行そのものを見えにくくしているのが怖いです。
発覚回避:リボンを大尉に本棚裏へ運ばせる
本来なら、鍵とドアロックを操作したリボンが現場に残ってしまいます。
しかし、大尉は揺れるリボンに反応し、それをくわえて本棚裏へ運びました。これによって、リボンは現場から消えたように見え、密室の仕掛けも隠れます。
この部分は、トリックとしてはかなり綺麗です。けれど、大尉は犯行の意味を分かって動いているわけではありません。
猫の可愛い習性を、証拠隠しの一部として使っているところに嫌な後味があります。
綻び:消えたリボンと漆屋の反応が不自然さを残す
トリックの綻びは、包装紙、テープ、ハサミがあるのに、リボンだけがないことです。
贈り物の準備があるならリボンもありそうなのに、それだけが消えているため、リボンが密室工作に使われた可能性が浮かびます。
この「ない物」に注目する推理が気持ちいいです。
さらに、本棚裏から事件に使われたリボンが見つかります。大尉がペットボトルの蓋などを本棚裏へ運ぶ習性も、リボン消失の説明になります。
漆屋が元太の落とした物の中からペットボトルの蓋だけを拾った行動も、本棚裏に隠されたものを恐れた反応として不自然です。
決め手は消えたリボンと漆屋の不自然な行動
決め手の入口になるのは、包装紙、テープ、ハサミがあるのに包装用リボンだけがないこと。
この違和感によって、リボンがただ消えたのではなく、密室工作に使われた可能性が見えてきます。現場にある物より、ない物が雄弁に語るパターンですね。
本棚裏からリボンが見つかったことで、リボンが大尉に運ばれた可能性が成立します。さらに、大尉がリボンやペットボトルの蓋を本棚裏へ運ぶ習性があるため、リボン消失と密室成立の仕組みがつながります。
大尉の習性が、トリックの説明と証拠の行方を同時に回収するのが気持ちいいです。
漆屋が元太の落とした物の中からペットボトルの蓋だけを拾ったことも大きな不自然さです。普通なら見逃してもよさそうな小物に反応したことで、本棚裏へ隠される物を知っている人物だと見えてきます。
何気ない行動が、犯人の知識を漏らす瞬間になっているのがゾクッとします。
さらに、漆屋の「エントランスを開けてもらった」という証言も、密室工作中の犯人の行動として不自然です。
漆屋が過去に大尉を飼っており、その習性を知っていたことも、リボンを使った工作を可能にする条件としてつながります。証拠、習性、証言のズレが一本線で漆屋へ向かう流れが綺麗です。
結末は益子の退院と大尉の帰還で少し温かい
事件の結末として、漆屋倫平が犯人だと判明します。
リボンと大尉の習性を使った密室トリックは崩され、益子貞司を突き飛ばして重傷を負わせた流れも明らかになります。ただし、抽出できる確定情報としては、漆屋のその後の処遇まではここでは踏み込みません。
被害者の益子貞司は死亡しておらず、後に無事退院します。ここがこの回の救いです。
重傷事件ではありますが、益子が助かることで、物語は完全な悲劇にはなりません。
さらに、大尉は最終的に喫茶ポアロ側、梓のもとへ戻ります。益子の好意が漆屋に届かず事件になった苦さはありますが、大尉が帰る場所を得ることで温かい余韻も残ります。
招き猫のような存在だった大尉が、最後にポアロの日常へ戻る締め方がかなり良いです。
アニメ「招き三毛猫の事件」はhuluやアマプラはある?
アニメ「招き三毛猫の事件」はhuluとAmazonPrimeVideoで配信されています。
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第751話・第752話「招き三毛猫の事件」の感想&まとめ

可愛い猫回の顔をしながら、重傷事件と密室トリックへ落ちる前後編です。大尉が梓のもとへ戻る温かさもあり、苦さと癒やしが同居しています。
ポアロの日常の厚みも効いています。
①可愛い猫回に見えて、密室事件へ落ちる温度差がいい
喫茶ポアロと大尉の可愛い導入から、血のついた足と密室状態の現場へ落ちる流れが強いです。
猫回の温かさがあるほど、益子の重傷が分かった瞬間に空気が冷えます。しかも、被害者は死亡しないとはいえ、善意と誤解が絡む事件なので軽くは見られません。
大尉を手放すかもしれない梓の寂しさもあるので、前半の時点で感情の揺れは意外と濃いです。
最後に大尉が梓のもとへ戻ることで、苦いだけで終わらないのも良いです。前編の癒やしを知ったうえで後編を見ると、何気ない猫の動きまで意味を持ち、落差がより刺さります。
明るい日常が事件に飲まれる瞬間を味わえる回です。
②猫の習性がトリックに変わる構成が気持ちいい
大尉がリボンやペットボトルの蓋を運ぶ癖は、最初はただ可愛いだけに見えます。
ところが後半では、その無邪気な行動が密室を成立させる鍵に変わるんですよね。包装紙はあるのにリボンだけがない違和感も、分かった瞬間にピースがはまります。
猫の気まぐれな動きまで推理の材料に変える構成が、コナンらしくて気持ちいいです。ただ、トリックが綺麗な分、猫の習性を犯行に使った苦さも残ります。見返すと本棚裏やリボンの動き、漆屋の何気ない反応まで追いたくなる回です。
可愛さとロジックの混ざり方がかなり巧く、猫回としても推理回としても楽しい回ですね。
③益子の好意が伝わらなかった後味が苦い
益子は大尉を幸運を呼ぶ存在として漆屋へ返そうとしていました。
けれど、金銭的な助けを期待していた漆屋には、その好意が届かず、侮辱として受け取られてしまうのが切ないです。大尉が招き猫のように扱われる一方で、誤解まで招いてしまう皮肉が胸に残ります。
本来なら温かい再会になってもおかしくない場面が、重傷事件へ変わるのが本当に苦いです。それでも益子が助かり、大尉が梓のもとへ戻る結末があるので、ポアロの日常に少し温かさが戻ります。重く沈みきらない締め方が、この回の救いです。
見終わると、善意の伝わらなさまで考えてしまいますよね。本当に。
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