若狭留美と脇田兼則は、どんな関係なの?
二人がお互いの正体に気づいたのはいつ?
若狭留美と脇田兼則は、かつて黒の組織No.2・RUMの正体候補として並べられていた二人です。
しかし、現在判明している本当の関係は、同じ正体を疑われた候補同士ではありません。
この記事では、若狭留美と脇田兼則の正体、17年前の因縁、互いに正体へ気づいた時期、108巻の対峙と現在も残る未回収ポイントを解説します。
若狭留美と脇田兼則の関係を最初に整理

若狭留美と脇田兼則は、17年前の羽田浩司事件から続く敵対関係です。
若狭は事件を生き延びたレイチェル・浅香で、脇田は事件を引き起こした黒の組織No.2・RUMです。現在は小学校教師と寿司職人という日常的な顔を見せていますが、その裏には17年間消えなかった因縁があります。
RUM側は原作104巻までに若狭=浅香と判断し、狙撃による排除へ動きました。若狭側も脇田を警戒し続け、108巻File1148では声を決定打に脇田=RUMへ迫ります。
File1149ではRUMも目の前の若狭をレイチェル・浅香と認識しました。しかしFile1150でRUMは逃走し、二人の直接対決は持ち越されています。
長く同じRUM候補として並べられていた二人が、実際にはRUM本人と、その天敵だった。この意味のひっくり返りが気持ちいいですし、候補時代の不穏な描写まで一気に再配置されます。
若狭留美の正体はレイチェル・浅香
若狭留美の正体は、17年前にアマンダ・ヒューズのボディーガードを務めていたレイチェル・浅香です。
現在は37歳で、帝丹小学校1年B組の副担任としてコナンや灰原の近くにいます。普段は物へぶつかったり、転んだりする頼りない教師を演じていますが、本来は屈強な相手も一人で制圧できるほどの戦闘力を持つ人物です。
推理力も高く、事件の真相へ早い段階で近づくことがあります。ドジな教師から冷静な戦闘者へ切り替わった瞬間、場の空気が一気に冷えるのが若狭の怖さです。
右目には一過性黒内障があり、強い刺激やストレスによって一時的に視界を失います。RUMと同じ義眼ではありません。
浅香は17年前の事件でアマンダと羽田浩司を失い、その後もRUMを追い続けています。ただし、若狭の中にあるのは単純な怒りだけではありません。
二人に命を守られ、自分だけが生き残った苦さも背負っています。復讐者としての強さと、守られた側としての傷が同居しているからこそ、若狭の行動には危うい重みがあります。

脇田兼則の正体は黒の組織No.2・RUM
米花いろは寿司の板前・脇田兼則の正体は、黒の組織No.2のRUMです。
脇田は自称56歳で、左目を眼帯で隠しています。江戸っ子のような口調で話し、人懐っこく、推理好きな寿司職人として毛利小五郎へ近づきました。
脇田は小五郎へ弟子入りを申し出ています。
「弟子入りしたいでやんす!」
この発言だけを見ると、推理へ興味を持った陽気な板前です。しかし正体を知った後では、毛利探偵事務所やコナンの近くへ自然に入り込むための演技にも見えてきます。
脇田兼則という名前も、本名ではなくRUMが用意した偽名である可能性が高いです。ウォッカはRUMについて、次のように語っています。
「ふざけた名前を名乗っている」

「脇田兼則」という名前には、RUMの口癖や行動原理へつながる仕掛けがあります。寿司職人らしい親しみやすい名前なのに、黒の組織No.2を隠すための仮面だったと分かると、一気に不気味になります。
RUMはバーボンこと安室透へ、工藤新一の調査も命じていました。
「工藤新一が生きているか調べろ」
この命令から、RUMが新一の生存へ強い疑いを向けていたことが分かります。脇田として毛利探偵事務所のすぐ近くにいる状況は、コナン、小五郎、安室を自分の目で観察できる位置でもあります。
コミカルな話し方と、黒の組織No.2という正体の落差がかなり怖いです。笑える人物として日常へ溶け込んでいるからこそ、正体が判明した後は何気ない会話まで不穏に見えてきます。
二人は17年前から続く敵対関係
若狭と脇田は、同じRUM候補だった人物ではなく、17年前の事件における生存者と加害者側です。
RUMはJukeホテルでアマンダ・ヒューズを狙い、彼女を守っていた浅香まで排除しようとしました。浅香は生き延びましたが、アマンダと羽田浩司は命を落とします。
RUM側にとって浅香は、17年前の失敗を知る危険な生存者です。顔だけでなく声や行動を覚えられている可能性があるため、放置できません。
一方の若狭にとってRUMは、自分を守った二人の死へ直接つながる相手です。現在までRUMを追う理由には、復讐だけでなく、17年前に果たせなかった決着もあります。
普段は同じ街で教師と寿司職人を演じているのに、その正体は17年前から互いを追う敵同士です。平和な日常のすぐ下に殺意が隠れている温度差が、RUM編らしくてゾクッとします。

二人の因縁は17年前の羽田浩司事件から始まった

若狭留美と脇田兼則の因縁は、17年前にアメリカのJukeホテルで起きた羽田浩司事件から始まりました。
当時の浅香はアマンダ・ヒューズのボディーガードで、RUMは黒の組織の任務としてアマンダへ接触します。その場でアマンダと羽田浩司が死亡し、浅香だけが生き延びました。
この事件では、アマンダの選択、羽田浩司の行動、浅香が記憶した声、手鏡に残った文字が現在のRUM編へ一本線でつながっています。
アマンダは浅香を守るため自ら薬を飲んだ
アマンダ・ヒューズは、RUMに無理やりAPTX4869を飲まされたのではありません。浅香を守るため、自ら薬を飲みました。
RUMの標的となったアマンダは、自分が助かることより浅香を逃がすことを優先します。浅香の居場所や行動について偽り、RUMの判断を乱そうとしました。
そして、自分の命と引き換えに浅香を守る道を選びます。浅香にとってアマンダは、単なる護衛対象ではなく家族に近い存在でした。
守る側だった浅香が、最後にはアマンダから守られて生き残ります。この立場の逆転が切ないです。
若狭が17年後もRUMを追っている背景には、アマンダを奪われた怒りだけでなく、自分のために命を捨てさせてしまった痛みもあるのかもしれません。
アマンダの死を単なる被害として見ると、若狭の復讐心だけが強く見えます。しかし、自ら浅香を生かした選択まで知ると、若狭が背負っているものの重さが一気に増します。

羽田浩司は浅香を匿いRUM側に殺害された
羽田浩司は、逃げてきた浅香を自分の部屋へ匿ったことで、RUM側の口封じの対象になりました。
当時の浩司は将棋の四冠王で、アメリカのチェス大会へ参加するためJukeホテルを訪れていました。事件とは無関係だったはずですが、浅香を助けたことで黒の組織の内部へ踏み込んでしまいます。
浩司は浅香を隠し、RUM側と対峙しました。その結果、APTX4869を飲まされて死亡します。
若狭が現在も持っている角行の駒は、羽田浩司へつながる大切な遺品です。若狭は駒を握ることで、浩司に守られた記憶と事件への怒りを手放さずにいます。
浩司と浅香が恋人同士だったかは確定していません。ただし、浩司が命の危険を冒して浅香を匿ったことは事実です。
将棋棋士として活躍していた青年が、逃げ込んできた一人の女性を守るために命を落とす。盤上の勝負ではない場所でも、浩司が自分の信じた一手を選んだことが胸にきます。

若狭が覚えていたのはRUMの顔ではなく声
若狭が17年後の脇田兼則へ到達する決定打となったのは、RUMの顔ではなく声でした。
17年前の事件は混乱しており、浅香はRUMの姿を十分に確認できていません。それでも、近くで聞いた声は記憶に残っていました。
RUMも、自分の姿だけではなく声を聞かれたことを警戒しています。変装で顔や体格を変えられても、声から過去へつながる危険があったからです。
この声の記憶が、File1148で脇田兼則と17年前のRUMを一本につなぎます。
RUMは一度見た人物を忘れないほどの記憶力を持ち、若狭は一度聞いた声を17年間忘れていませんでした。
見る側と聞く側。二人の記憶が別々の方向から17年前へ戻っていく対比が巧いですし、直接的な名乗り合いがなくても正体へ届く緊張感がたまりません。
ASACA RUMではなくCARASUMAへ意味が変わった
羽田浩司事件に残された手鏡の文字は、最初に「RUM ASACA」と読まれました。しかし、これは最終的な答えではありません。
手鏡には「PUT ON MASCARA」という文字があり、一部が切り取られていました。残った文字を並べ替えると、RUMとASACAを組み合わせた言葉に見えます。
この読み方によって、浅香とRUMが同一人物、または同じ側の人物ではないかという疑いが生まれました。
しかし工藤優作は、文字を「CARASUMA」と読み直します。これは黒の組織のボスである烏丸蓮耶へつながる名前です。
つまり、手鏡が示していたのは浅香=RUMという答えではなく、事件の背後にいる烏丸蓮耶でした。
若狭とRUMを同じ正体候補へ見せていた文字が、真相判明後には二人を敵同士として分けます。正体候補のミスリードが、黒の組織のボスへつながる伏線へ変わる構成が綺麗です。

二人はいつ相手の正体に気づいた?

若狭とRUMが相手の現在の正体へ気づいた時期は、同じではありません。
RUM側は104巻までに若狭=浅香と判断し、実際に排除へ動いています。若狭側は101巻の時点で脇田を強く意識した可能性がありますが、脇田=RUMと確信した決定的な場面は108巻です。
疑い、調査、攻撃、確信と段階を分けると、二人が長い時間をかけて相手へ迫っていたことが見えてきます。
RUMは104巻で若狭=浅香と判断して狙った
RUMは原作104巻の現在編で、若狭留美を17年前の浅香と判断し、排除へ動きました。
若狭の居場所と姿を把握したRUMは、キャンティとコルンに狙撃させようとします。これは若狭が単なる怪しい教師ではなく、組織にとって消す必要がある相手だと認識されている証拠です。
しかし若狭は狙撃を察知し、簡単には仕留められません。狙う側だった黒の組織が、反撃される危険まで背負います。
RUMがどの情報を決定打に若狭=浅香へ到達したのか、その全過程は明かされていません。ただ、104巻の時点では正体を疑う段階を越え、排除対象として扱っています。
17年前に取り逃がした相手が、コナンや灰原の近くで教師をしている。この状況はRUMにとってかなり不気味だったはずです。
若狭の存在が、RUMの過去の失敗を現在へ引き戻します。狙撃という強引な手段を選んだことで、RUM側の焦りまで見えるのが面白いです。
若狭は101巻から脇田を警戒していた可能性
若狭が脇田兼則を最初に強く意識したのは、原作101巻「宮野明美のタイムカプセル」です。
脇田が帝丹小学校へ寿司を届けた際、若狭は窓越しにその姿や声へ反応しています。
この場面だけで、若狭が脇田=RUMと確信したとは言えません。ただ、普段とは違う鋭い視線を向けており、何らかの違和感を持ったことは伝わります。
17年前に聞いたRUMの声と、脇田の声が似ていると感じた可能性があります。しかし脇田は寿司職人として別の姿を作っているため、声だけで即断するには危険です。
若狭は脇田をすぐに襲わず、観察を続けました。復讐心の強い人物でありながら、証拠が揃うまで動かない冷静さも持っています。
窓越しの短い視線が、後のFile1148で回収されると考えると気持ちいいです。何気ない出前の場面なのに、17年前の敵がすぐ近くまで来ていたことになります。

103巻で脇田も若狭の視線を探り始めた
原作103巻File1100では、脇田兼則も若狭留美について探りを入れています。
「怪盗キッドと王冠マジック」の中で、脇田はコナンへ若狭のことを尋ねます。寿司職人としての雑談にも見えますが、RUMの正体を知ると質問の意味が変わります。
脇田は、若狭が自分へ向けた視線や反応を気にしていたのでしょう。自分の声や正体へ近づかれた可能性を確認しようとしていたのかもしれません。
ただし、この時点でRUMが若狭=浅香と完全に確信していたかは断定できません。103巻は、互いの警戒が表へ出始めた段階として見るのが自然です。
若狭は脇田を見て、脇田はコナンを通じて若狭を調べる。本人同士が直接名乗らないまま、周囲の人物を使って相手へ近づいていくのが不穏です。
日常的な会話の裏で、17年前の生存者とRUMが互いを探っている。表向きの軽さと、本筋の重さの落差が効いています。
108巻「混沌の行先」で互いの正体を確信

原作108巻「混沌の行先」では、若狭留美と脇田兼則が互いの現在の正体へ到達します。
File1148「混沌からの来訪者」で若狭が脇田の声へ反応し、File1149「混沌の因縁」でRUMも若狭=レイチェル・浅香と認識しました。
しかしFile1150「混沌の追跡者たち」でRUMはその場から逃走します。相互に正体が判明したのに決着はつかず、次の対決へ大きな緊張を残しました。
File1148で若狭が声から脇田=RUMへ迫る
File1148で若狭は事件現場へ現れ、脇田兼則の背後から声をかけます。
若狭留美「あら、そのお声…聞いた事があるような…どこかでお会いしたかしら?お寿司屋さん?」
この発言から、若狭が脇田の声を17年前に聞いたRUMの声と重ねたことが分かります。
「聞いた事がある」と柔らかく話していますが、実際には相手の反応を試すための言葉です。表情や返答から、脇田が17年前の人物かを見極めようとしています。
101巻で抱いた違和感が、この場面で確信へ近づいた可能性があります。長く探してきた敵が目の前にいるのに、若狭はすぐ攻撃せず、会話から逃げ道を塞いでいきました。
明るい教師の口調なのに、言葉の奥には17年間の殺意があります。この一言で場の空気が変わり、寿司職人と教師の会話が浅香とRUMの対峙へひっくり返るのがたまりません。

File1149でRUMも若狭=浅香と明言
File1149では、RUMも目の前の若狭留美を、17年前に取り逃がしたレイチェル・浅香だと認識します。
若狭は将棋に絡めた言葉を使い、脇田の逃げ道を塞ぐように肩をつかみます。教師と寿司職人の雑談に見せながら、実際には互いの正体を分かったうえで牽制し合う心理戦です。
RUMは若狭の戦闘力を知っており、簡単に振り払える相手ではないと理解しています。
一方の若狭も、脇田が黒の組織No.2だと分かりながら距離を詰めました。
この時点で二人の間に残っていた正体の疑いは消えています。17年前のRUMと浅香が、脇田兼則と若狭留美という現在の姿で再び向き合いました。
派手な名乗りや銃撃ではなく、短い言葉と視線だけで相互認識が成立するのが巧いです。互いに頭が切れる人物だからこそ、会話の一言一言が攻撃になります。
長くRUM候補として並んでいた二人が、ついにRUM本人と浅香として対峙する瞬間です。候補時代から追ってきたほど、この静かな再会に鳥肌が立ちます。

File1150でRUMは逃走し決着は持ち越し
File1150でRUMは若狭との正面衝突を避け、部下を利用して逃走しました。
RUMは歯を使った信号で外にいる部下へ指示を出します。その後、車が現場へ突入し、周囲が混乱しました。
若狭の注意が車や周囲の人々へ向いた隙に、RUMは塀を越えて逃げます。そして待機していた車へ乗り込み、その場を離れました。
若狭はRUMを目の前まで追い詰めましたが、仕留めることはできません。RUMも浅香と戦って勝負をつけるのではなく、組織の人数と準備を使って離脱しています。
逃げたからRUMが弱いとは言えません。むしろ、目的のためなら一対一の勝負へこだわらず、使える手段をすべて使う冷徹さが見えます。
17年ぶりの対峙なのに、決着ではなく再び取り逃がす形で終わるのが苦いです。ただし、今度は若狭だけでなく、コナンやFBIまでRUMの正体へ届きました。

コナンとFBIも脇田=RUMへ到達
File1150では、若狭とRUMの因縁だけでなく、コナンとFBI側の縦軸も大きく動きます。
アンドレ・キャメルが見聞きした情報を整理することで、コナン、赤井秀一、FBI側は脇田兼則=RUMという答えへ到達しました。
それまで脇田は、毛利小五郎の近くで活動する怪しい寿司職人ではあっても、コナン側に正体を確定されていませんでした。この回で、黒の組織No.2の現在の顔がはっきり共有されます。
さらにRUMは、沖矢昴の目元を見て赤井務武を思い出しました。RUMの中では、現在の赤井秀一と17年前の赤井務武がつながり始めています。
若狭とRUMだけの復讐劇に見えた対峙が、最後にはFBI、赤井家、コナンを巻き込む本筋へ広がりました。
事件が終わった後に黒の組織編が一気に前へ進むのが気持ちいいです。RUMは逃げ切ったものの、代わりに最大の秘密をコナン側へ渡す結果になりました。

なぜ二人はどちらもRUM候補だったのか

若狭留美と脇田兼則は、黒田兵衛と共にRUM候補として描かれていました。
三人には、片目の異常、並外れた能力、正体を隠すような言動など、RUMを連想させる特徴が置かれています。
若狭と脇田は同じ特徴を持つ候補に見せられましたが、実際には片目の異常も、名前の意味も、物語上の役割もまったく違いました。
若狭留美は右目と戦闘力で疑われた
若狭留美がRUM候補とされた理由は、右目の異常、高い戦闘力、名前に仕込まれたように見える文字でした。
若狭は普段、物へぶつかるドジな教師を演じています。しかし事件や危険人物を前にすると、教師とは思えない身のこなしを見せます。
さらに右目に異常があり、RUMの特徴とされていた義眼を連想させました。
ただし、若狭の右目は義眼ではありません。一過性黒内障によって、一時的に見えなくなる症状です。
「WAKASA RUMI」という名前も、RUMやASACAを連想させる文字を含み、正体へのミスリードとして機能しました。
教師らしからぬ能力、片目の異常、浅香へつながる名前。疑う条件が綺麗に揃っていたため、若狭=RUM説はかなり強く見えました。
ところが真相はRUM本人ではなく、RUMによって人生を壊された浅香です。同じ不穏さが、悪役ではなく復讐者の傷だったと分かる瞬間に意味が変わります。

脇田兼則は左目の眼帯と名前で疑われた
脇田兼則は、左目の眼帯、鋭い観察力、名前とRUMの口癖の一致によって有力候補となりました。
RUMは片目が義眼だと知られており、脇田は初登場から左目を眼帯で隠しています。表向きは物もらいだと説明していましたが、怪しさはかなり強いです。
さらに、脇田兼則という名前はRUMの口癖へつながります。
「時は金なり(Time is money)」
この言葉と名前の仕掛けが重なることで、脇田=RUM説は一気に強まりました。
陽気でせっかちな寿司職人という性格も、時間を無駄にすることを嫌うRUMの気質とつながっています。
若狭の怪しさが浅香という過去を隠すためだったのに対し、脇田の怪しさはRUM本人の特徴を別の意味に見せるためでした。
最初から答えを見せながら、コミカルな口調と寿司職人の姿で正体をぼかしていたことになります。見返すほど、一つ一つの言動が黒の組織No.2らしく見えてきます。

候補同士からRUMと天敵へ意味がひっくり返った
若狭留美と脇田兼則は、同じRUM候補として並べられました。しかし正体が判明すると、二人の特徴は同じ人物を示すものではなく、敵対関係を作るための対比だったと分かります。
若狭の右目は一過性黒内障で、RUMの左目は義眼です。どちらも片目に異常がありますが、原因も意味も違います。
若狭の名前は浅香へつながり、脇田の名前はRUMの口癖へつながります。同じような名前の仕掛けも、一方は事件の生存者、もう一方は組織No.2を示していました。
そしてRUMは視覚から相手を記憶し、若狭は声からRUMを記憶しています。似た能力を持つ候補ではなく、異なる記憶を武器に相手へ到達する天敵同士です。
RUM候補として見ていた時には、どちらが本物かという比較でした。真相判明後は、二人がいつ互いを見つけ、どこでぶつかるのかという因縁へ読み方が変わります。
同じ材料を使いながら、正体判明の前後で意味を丸ごと反転させる見せ方が巧いです。候補編のミスリードが、そのまま直接対決の熱へ変わっています。
最新File1166までに残る未回収ポイント

若狭とRUMは互いの正体を把握しましたが、二人の因縁はまだ終わっていません。
直接対決の決着、脇田兼則としての今後、RUMが左目を失った経緯、若狭の復讐心の行方など、大きな謎が残っています。
File1166までに再戦は描かれていません。しかしコナンとFBIもRUMの現在の顔を知ったため、次の対峙は二人だけの戦いでは終わらない可能性があります。
RUMと若狭の直接対決は終わっていない
RUMと若狭の直接対決は、File1150で決着したわけではありません。
若狭はRUMを目の前まで追い詰め、互いの正体も明らかになりました。しかしRUMは部下の車を使って混乱を作り、その場から逃走しています。
その後、File1166までに二人が再び直接会った描写はありません。互いの正体を知った状態のまま、次の動きへ備えている段階です。
RUMにとって若狭は、17年前の失敗を知り、自分の声まで覚えている危険な存在です。若狭にとってRUMは、アマンダと羽田浩司を奪った因縁の相手です。
以前は相手の正体を探る必要がありましたが、次は最初から敵としてぶつかります。File1148のような探り合いではなく、より直接的な攻防になる可能性があります。
ただし今度は、コナンとFBIも脇田=RUMを知っています。若狭一人の復讐だった構図が、黒の組織No.2を追う共同戦線へ変わるのか注目です。
脇田兼則として今後も活動するかは未確定
File1150以降、RUMが脇田兼則として米花いろは寿司へ戻った描写はありません。
脇田の正体はコナン、赤井秀一、FBI側に知られました。若狭にもRUMだと認識されているため、以前と同じように毛利探偵事務所の近くで活動すれば危険です。
そのため、別の姿や立場を使う可能性はあります。ただし、脇田兼則という身分を完全に捨てたとは断定できません。
毛利小五郎、コナン、安室の近くで情報を集められるいろは寿司は、RUMにとってかなり価値の高い場所です。危険を承知で再び姿を見せる可能性も残ります。
陽気な寿司職人が突然いなくなれば、小五郎や周囲から不審に思われるかもしれません。潜伏を続けるのか、役目を終えたとして姿を消すのかは未回収です。
日常へ戻れば戻ったで怖く、消えれば消えたで黒の組織が本格的に動き出したように見えます。脇田という表の顔がどう処理されるかも、RUM編の空気を大きく変えそうです。

赤井務武とRUMの左目の因縁は未判明
File1150では、RUMが沖矢昴の目元を見て赤井務武を思い出しました。
赤井務武は、17年前の羽田浩司事件後に羽田家から調査を依頼され、その後消息不明となった人物です。RUMも務武を知っており、死亡した人物として認識しています。
現在のRUMは左目が義眼ですが、17年前の事件当時は現在と状態が違います。羽田浩司事件から現在までの間に、左目を失う何かが起きました。
赤井務武がRUMの左目を傷つけた可能性はあります。ただし、その攻防は作中で描かれておらず、現時点では断定できません。
務武を思い出した直後に、RUMが赤井秀一と対峙している構図が意味深です。父と息子が同じ目元を持つことで、17年前と現在が重なっています。
若狭との因縁に赤井務武までつながれば、RUMの左目、羽田浩司事件、赤井家の失踪が一本線になります。未回収の中でも、かなり大きな縦軸です。
若狭の復讐心は変化し始めている
若狭は現在もRUMへの強い怒りを持っています。しかしFile1165〜1166では、目的のためなら他者の犠牲もやむを得ないとする考え方から、少しずつ変化し始めました。
若狭は過去に、自分の目的を優先し、周囲の人物を危険へ巻き込むような判断を見せています。17年前に大切な二人を奪われたことで、復讐へ意識が向きすぎていました。
それでも、灰原や周囲の人物の行動に触れ、人を守る選択へ動きます。アマンダと羽田浩司が自分を守ってくれた記憶も、若狭の判断へ改めて効いているように見えます。
これは、若狭がRUMへの復讐を完全に捨てたという意味ではありません。怒りは残ったままですが、そのために無関係な人を犠牲にするのかという部分が変わり始めています。
次にRUMと対峙した時、若狭が復讐だけを優先するのか、それとも周囲を守りながら決着を目指すのかが大きなポイントです。
姉を黒の組織に奪われた灰原が、復讐に傾く若狭の考え方を変える位置にいるのも胸にきます。同じ組織へ大切な人を奪われた二人だからこそ、言葉や行動が届くのでしょう。

まとめ
若狭留美の正体はレイチェル・浅香で、脇田兼則の正体は黒の組織No.2・RUMです。
二人は同じRUM候補だった人物ではなく、17年前の羽田浩司事件から続く敵同士です。
同じRUM候補として並んでいた教師と寿司職人が、実は事件の生存者と黒の組織No.2だった。正体が分かった後ほど過去の視線や声の意味が増していく、RUM編らしい因縁です。



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